歩き書き!「田中屋の不動産管理日誌」
第9話~在籍確認

不動産管理あるある
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不動産管理あるある

=在籍確認=

不自然な電話

場面◯ 相模原のオフィス
ト書き:会社の電話が鳴る。電話機には非通知の文字。田中電話に出る

田中「ありがとうございます。田中屋不動産です」
山本と名乗る女「山本と申しますが、春本さんいらっしゃいますでしょうか?」
田中「恐れ入りますが、どちらの山本様でしょうか?」
山本と名乗る女「個人として連絡をとっております」

このような経験はございますでしょうか。会社名も名乗らず、個人としての電話。

これは十中八九「在籍確認」であります。
さらに「個人としてかけている」という文句により、社名を名乗らないのは、あまり質のよくない会社・団体であると考えてよいでしょう。

うまくもないし、ひねりもないし、効率もよくないし、気分も悪い経験が私にもあります。そんなおもしろくもない慣習がこの世の中にはあります。

在籍確認とは

在籍確認とは、その会社にその人物は本当に勤めているかの確認です。
ここでいうところの、春本という人物は、田中屋不動産に勤めているかの確認です。

なぜそんな確認をしたいのか

春本という人物は、何かしら、応募・申し込み・または申請等をしていることが考えられます。

例えば、賃貸物件の申し込みです。

賃貸物件の管理会社は、申し込みが入ると審査をします。そのひとつが在籍確認です。どんな仕事をしていくらぐらいの収入があるのか。
在籍確認としては、保険証の確認で済ませることが多いです。

アルバイトや水商売など、職場が保険証の発行まではしない場合に、在籍を確認する方法のひとつが、ここで出てくる電話による在籍確認になります。

お金を借りることや、何かを契約するときなど、審査のひとつですね。

ちょっと品のない在籍確認

私が以前働いていた不動産会社では、その在籍確認を電話でしていました。
上司に言われたことは、やはりさも当然のように会社は名乗らず会社の電話するという失礼きわまりないものでありました。自分が担当した申し込みでは、みんな保険証などで在籍確認がとれましたので、在籍確認はせずに済みました。

思えば、私がその会社の宅地建物取引主任者(現 取引士)募集に応募したときのこと。
その会社の面接を受け、後日出先から会社に帰ってきたとき。
「今田中さんあてに電話があったよ。外出と伝えたら、それなら大丈夫って…」
社名を名乗らない在籍確認してきたのです。ヤツらはそれで目的は済んだのです。「そのような名前の者はこちらにおりませんが」でなければ、在籍確認はできたということになるのです。

在籍確認とは古くからある文化です。それ自体が悪いということではなく、品ですね。

では、在籍確認をする立場としてはどうすればよいのでしょうか。私が行った方法とは。

つづく

文・写真/田中Mint

町田 路地
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