歩き書き!「田中屋の不動産管理日誌」第8話
消防設備はテナント設置という説明を契約書ですること

不動産管理あるある
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契約書どう書こう

書き方として、
「借主乙が貸室を使用するに当たって必要となる、建築基準法および消防法による設備は乙が乙の負担によって設置する」旨、はっきりと書いておく必要があります。

排煙設備はテナント設置はダメ?

 B1階の排煙設備はこれではだめなのかと疑問もあります。
慣習という話になってしましますが、店舗における消防設備はテナントが設置するという慣習がありますが、排煙設備はテナントで設置す慣習がないのです。建築基準法における排煙設備をテナントで設置するぐらいならその店舗を選らばないのがひとつ。もうひとつは、そもそもビル側設置であることを主張し続けて、話がすすまないパターンです。

テナント負担ではダメなわけではないのですが、話がすすまないのです。

ちなみに、店舗としての排気・換気というのは当然テナント設置です。

避難器具設置について


2階以上に設置する避難はしごやオリロー(緩降機)といった設備は、バルコニーにも設置できますし、窓から使えるように専有部分に設置することもできます。また、貸室を区切ったりすれば必要な消防設備も変わってきますので、当然テナント設置です。

それに対して排煙設備は、専有部分に接続するわけなので、その部分は店舗内装ともとれますが、地下からビルの中を通って地上までいかなければなりません。これをテナントが設置すれば、その部分はテナントの所有になります。これをまた、退去の際に撤収するといいのはやはり馴染まなかったのだとおもいます。

そういう流れもあって、契約書の条文ひとつで、テナント負担とはなかなかなりにくいものです。現状渡しと書いていても、排煙設備はビル側で設置するものでしょという主張になりやすいのです。
これは建築士に確認しても、「ビルで設置するものだね」と返されます。おまけにいうと、建築士の方数人に確認したなかで、「まぁ、それがなくても建築指導課が不備をしてきして、借り主または貸し主にペナルティを与えることは聞いたことがないけどね」とも言います。

店舗に必要な消防設備・建築設備を設置する義務はだれ?

法律としては、誰が設置してもよくて、設置しなければいけないビル区画に設置してあればよく、ビルオーナーが設置しなければいけないとまでは法律条文に書いてはいません。あらかじめ、建築設備・消防設備はすべてテナント設置義務を説明すればそれはそれでいけなくもありません。これはお互いの契約に関する約束ごとになりますので、契約時の説明として割愛できない箇所です。

管理会社としての立ち位置


私は、このような案件がある場合、管理会社とし間にたったときには、B1の場合は排煙設備がないため、事務所・サービス店舗での使用で募集を提案します。

2階以上の避難器具がない場合は、テナントへの応援も含め、オーナー設置を提案し、オーナーがごねれば、現状渡し・消防設備・建築設備はテナント負担であること説明した上で、話をすすめるという流れをとります。

はっきりいって、私の経験では、建築基準の設備を指摘されたことがないので、ばか正直にやるのは気が進まないのですが、まぁ、法律ですので、しょうがないなぁ、なんて思っています。

文・写真/田中Mint

下北沢駅周辺 マミヤ C330で撮影
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