歩き書き!「田中屋の不動産管理日誌」第2話~店舗の保険

不動産管理あるある
不動産管理あるある

=店舗の保険=

家も店舗も事務所物件も、契約書には保険に加入するよう触れています。
さらには、指定の保険に入れというパターンもあります。

これは何の為であり、誰トクなのか、疑問に思うことも多いかと思います。
火事や事故って起きるのか。

今回は賃貸物件に関する保険について、管理会社の立ち位置からメモしていきたいと思います。

まず、賃貸不動産における保険とは何か

住宅でいうと、少額短期保険を進められることが多いと思います。
こちらは、主に家財保険・個人賠償保険・借家人賠償保険がセットとなっています。
家財保険…自分の所有の物が被害を受けたときに支払われる保険
個人賠償責任保険…他の賃借人に被害を与えてしまい、法的責任を問われたときに支払われる保険
借家人賠償責任保険…建物に被害を与え、貸し主から法的責任を問われたときに支払われる保険

店舗・事務所の保険では、店舗総合保険というような名前の商品があります。※各社名前は違いますが

この保険は自分の店舗を守る内容(什器・設備など、自分の私財が被害にあったときに使われる保険)となっており、他のテナントへ被害を与えてしあった場合に使われる保険が入っていないことがほとんどです。
上でいうところの賠償保険がセットされていないことが多いのです。

のちの話に出てきますが、施設賠償保険というものを、別で追加する必要があります。さらに、水漏れについてもおりるよう特約をつけます。

―なぜ入るのか

はっきりいって保険は使うことがほとんどありません。ほとんどないため、保険会社は儲かり、ちょっといい役職までいくと、かなりの年収をとることがでるみたいです。この話はおいておいて。私も18年間一度も使ったことがないですね。

-ではもう一度、なぜ入るのか

・テナント同士のトラブル
これを、テナント同士ではなく、保険会社同士で行ってもらうことが主な目的となります。

例えば、
◯ 2階のテナントが、配水管から漏水を起こし、1階に漏れ、内装を一部破損した。
とする。(事例)

1階テナントは、
「2階のせいで、うちは被害を受けたので、2階テナントよ、うちの内装をてめぇの費用負担で直せ」
となります。気持ちはわかります。
この場合、1階テナント本人と2階テナント本人の争いになります。

2階テナントがものわかりのいい人であれば、
「すいません、すぐ直します」と話は解決に向かうのですが、
2階が悪いにもかかわらず、ごねるテナントもあります。
保険に入っていなくてごねているかもしれませんし、入っているが保険料があがるのが嫌でごねているひともいるかあもしれません。

まず、自動車の保険と違って、この手の不動産に関する保険は、使うことによって、次回保険料があがるという性質のものではありません。問題が解決-この場合漏水の修理が完了-されれば値上がりすることなく更新できます。

不動産の保険では、加害者より、被害を受けた方が保険で直すという慣習があります。

保険を使わず言い争いをしているうちに、対応が遅くなれば、1階は、対応が遅いことによる被害が出たと言い出したりします。
事故はどんどん悪化していきます。

ここでのポイントは、保険は被害に遭った方がさっさと使うことです。不動産屋もそれを契約時に説明し、自動車保険のような考え方ではないことをテナントに理解させることが大事です。

つづく

文・写真/田中Mint

「山田うどんの女」
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