本日のトレンド入り「今日も負け」
冷めちまったのか、僕は勝ち負けに何の興味も持たなくなってしまった。
世の中の勝ち負けを気にして生きてきたつもりだったけど。
気にして生きるのが向上心だったし、そのポジティブさが大事とされるような社会である。
でも実際勝ち負けが勝負ではないのかもしれないと思ってきたからだ。
では、何に興味を持っているかだ。
新庄は絶対言った
「道にバナナの皮が落ちていて、それを踏んだとしても、ぜったいころばない」
それを自信満々に連呼したのだ。
そして、実際やってみたらすべったのである。
それで、新庄は言った。
「なにか問題でも」
結局、勝ち負けのより話題が大事なのだ。
ぼくも話題に飢えているのだ。
日本ハムが5連敗
2勝3敗のどこかのチームよりよっぽど美味しいと思っているに違いない。
ついでに、「今日も負け」みたいなのがトレンド入りなんてしてくれたさ最高じゃん、なんて。
強かったはずの格闘家を僕は誰一人覚えていない。
僕は強いのか弱いのかわからない飯塚孝之を応援していた。
今だからこそわかるのが、松田聖子が話題作りで結婚して離婚して、娘の死まで話題にしてしまう。
それはきっと話題に餓えていたのだろうと。
ぼくは、そんな話題は要らないけど。
文/田中宏明