歩き書き!田中屋の不動産管理あるあるエッセイ 第20話「検査済証」

不動産管理あるある
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検査済証とは

検査済証とは、建物後建築確認を経て、建築基準法の規定を満たしている場合に発行されるものである。

再発行はされない。

が、発行されたことがある証明は取得することができる。

また、増築の際にも、増築後の検査が必要となり、その時代の建築基準法を満たしているものであれば、増築に対して、検査済証は発行される。
この増築の検査済証が発行されているということは、建物全体に対して、当時の建築基準法の規定を満たしているということです。

※増築部分のみ建築基準法を満たしているけど、その他は満たしていないという意味ではない。

新築時の検査済証が発行されていても、のちに違法増築している可能性は当然あるので注意。

さてさて、
あ、「さて」という言葉嫌いなのに使ってしまった。
それをおいておいて。

もう何十年も昔のビルがあったとして。

そのビルは、現在の建築基準法では必要な設備が、設置されていなかったとして。

その設備がないことによって、テナントとビル側でトラブルが起きたとき。
また、その設備は共用部に設置されるべきものだったとしよう。

テナントは「本来設置されているべきものがなかったので、このトラブルはビル側の責任だ」と主張する。

ここで、検査済証はひとつの考え方を示すことができる。

検査済証が発行されていれば、建築当時は建築基準法の規定に沿っている。その後、法が改正され、新たな設備が必要となってしまって、その設備がなかった場合、既存不適格となる。
この、既存不適格という言葉は「不適格」という文字が入っているので、ダメなのではないかとイメージされやすい。

しかし、この言葉の意味は、
当時の基準は満たしているが、その後の改正には適用していない状態といっているだけで、違法という意味ではないのです。
もう一度…「既存不適格」は違法建築ではありません。

ですので、前のテナントの主張に対しては、「その設備がないことは違法ではありません。引き渡し時の現状有姿有形で借りていただいてます」となります。

募集図面や重説などに、建築年の記載をしておくのは、このあたりにも影響します。○○年築って説明してあるよ、と。

ちなみに、消防設備の設置基準については、法改正があると、それに従わないといけないので、消防設備には「既存不適格」という概念がありません。

最近では、大阪の火事、いや、テロの影響で消防設備の基準が厳しくなるかもしれません。

田中Mint

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