青春プチロマン小説「女が日本一周に出る時」第26話 作/奈良あひる

短篇小説
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ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。

第26話

浅田はキスをしながら加恵に服を着るように促す。 もう一度脱がしたいからだ。

加恵はそののぞみ、そんなのぞみならいくらでも応じたかった。はっきり言って減るものじゃないのだ。男は減るものじゃないんだかりいじゃん、なんて言う。そう、その通り。むしろ増えるの、おもいでが、感情が。

私は後ろをむいて服を着る。いつ来るか、いつ来るか…。

来た。途中で我慢できなくなくなり加恵をベッドに寝かせた。 ブラを上にずらし、胸にキスをする。

何回でもしたっていい。誰も知らない。もう何日分の想い出をつくりた。

浅田の経験がうわまわり、加恵を操るといったものではなかった。夢中だった。それが加恵には感動のようなものを与えた。慣れた相手との情事とはちがう、あついもの、夢の中。

浅田「     」

加恵「うん…」

やさしくうなづいた。 熱海の夜は溶けていった。 コーヒーに交じるミルクのように。

もう会えない人、いつ会えるかわからない人に「想い出がほしい」なんて言われたら…

できる限り想い出を作ることに何の不利益もない

つづく

次回 27話

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作者紹介

奈良あひる 渋谷のOL

女に必要なのは断らない勇気。

それからというもの恋のめぐり合わせが始まったまりました。経験をもとにロマンスをお届けします。

井の頭Pastoralにも寄稿してます。

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