田中屋の深夜日誌「暑い日、手であおぐ」
エッセイ/田中宏明

夕刻日誌
夕刻日誌

暑い日、手で自分の顔に扇いでいる人をたびたび見かける。
それは、自分の風をあてたいのだと思う。思っていた。

それを見て僕は、それ、涼まないだろ、余計からだが熱を生むだろといったところが自分がやってみたところの率直な感想です。

では、なぜ、扇いでいるのか。

ひとつは、自分から生まれる熱よりすずむ方が効果が得られているということ。僕のあおぎかたがコツを得ていなかったってことですね。

もうひとつは、全然別の効果があるということ。つまり涼むためにやっているのではないということです。

ここが大事。

手であおいでいる人に、その行動について聞いたことはありません。
というか、知り合いがやっているすがたをみたことがありません。

これは、かなり浅はかに予想を打ち立てますが、
あのすがたは、ファッション・アクセサリーの類いです。

それ自体になんの効果はなく、見ている側がどう思うか、魅力的に見えるかというところにあると思います。
アクセサリーを重かったり、邪魔だったりすることがあります。
しかし、そこから生まれるメンタル面、ファッションとしての魅力はあります。その仲間であるということです。仕草といファッション。

ファッションといえば、威勢に向けてい部分も多いかと思います。
まぁ、それの仲間ですね。

エッセイ/田中宏明(写真家)

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