田中屋の夕刻日誌 「手づくりパンとCD」文/田中宏明

夕刻日誌
夕刻日誌

コスパで何が語れるのか

陽当たりの台所でのこと

最近Mintは手づくり食パンにはまっている。
僕もそれを食べる。そのパンはおいしい。

「手づくりパンと、食パンをスーパーで買うのとではどっちが安いの?」

例えば、外食するのと食材を買って家で作るのではどっちが安いのか、で言えば、そりゃ自炊した方が安いという認識である。
それで、パンだとどうなるのかということである。

「んん、買った方が安いね」

ここで僕が言いたいことは、買った方が安いのに作るの?をいいたいわけでもないのです。もともと買った方が安いに決まっているのです。

同じ完成度のものであれば買った方が安い。
例えば、100Yenショップで買えるものを思い浮かべてみる。
どれも、100円で作れるわけねぇだろ、ってなります。

なぜか、食べ物だけ買った方が高いのです。買うには2通りあって、スーパーで惣菜を買うのと、飲食店で食べて帰るというものがあります。

理屈的に店で食べた方が高くなります。実際高いです。席代やサービスに関する人件費などが、定食代に入っているからです。

普通買った方が安いというのに、食べ物はなぜ、買った方が高いのかに迫りたいと思います。

なんのひねりもないのですが、手間の部分です。
どうしてもその手間の時間が当てられないのです。作ることがエンターテイメントになっていない場合、その作る時間というのは、どうしてもひねりだせないのです。なぜなら、エンターテイメントを作る時間がほしいからです。

生まれたころから時間のあるボンボンなら、料理もつくって、エンターテイメントを作る時間もあります。

では、家族の場合、

多くの家族では、料理は誰かが作ります。90%以上母親が作ると思います。役割分担的に。
ひとつの家に住む人数が2人になった習慣、自炊する経済効果、つまり出費はかなり減ります。この浮いたお金はエンターテイメントに当てることができます。3人となればまたさらに費用は減ります。
時間をかけてでも、料理を作る価値があるということですね。
さらに、ここではおまけ情報で、素材に近い料理となる可能性があがり、健康的というのもあります。

Mintはエンターテイメントという意味でパンを手づくりしているのです。パンは買った方が安いから、買おうぜなんて想いはまったくもってありません。

僕は、手づくりで音楽をつくって、手づくりでラジオを作っています。
それはかなり楽しいことですが、時間とパワーがかかります。(まぁ、手はぬいてますが)

CDだって、買った方が安いのです。サザンだってとんねるずだって、12曲入ったアルバムが3000円で買えるのです。ラジオも無料で聴ける。
世の中に聞きたい曲がないからつくったぜ
なんて気取って音楽を始めましたが、聞きたいからではなく、作りたいから、聴いてもらいたいから作り始めたのです。

そうなのです、Mintもパンを食べたいから作ったのではなく、作りたいから作ったのであって、自分は作った本人は食べなくてもよかったりもするのです。

判断の基準は、どちらが楽しいか、なのですね。

タイトルとURLをコピーしました