田中屋の夕刻日誌 「男同士の電話~立ち食い蕎麦の話で90分」

夕刻日誌
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「立ち食いそばといえばキツネコロッケだよね」
今は昔、DJシューカイという男の言葉である。

どういうイキサツかは忘れましたが、話の中で出て来たこの言葉は残っていて、立ち食いそばへ行ったときには、このキツネコロッケのボタンを探すのですが、ないのです。キツネそばにコロッケトッピングかコロッケそばにキツネトッピングしないとキツネコロッケは実現しないのです。結局トッピングはせずに山菜そばかかきあげそばを注文してしまいます。

昨日だいぶ久し振りにBerryBerryBreakfast(補足1)のメンバーでもあるDJシューカイに電話した。
田中「キツネコロッケなんてメニューないよね」
シューカイ「そうなんだよね、キツネそばにコロッケトッピングだよね」
理由については忘れましたが、コロッケそばにキツネトッピングではないことを熱く語っていました。

そして「昔、立喰師というのがいてさ、タイムボカンシリーズにも出てくるんだよ」と話し始め、タイムボカン ヤッターマン系は観てたけど記憶にないなぁと、気にとまるところのポイントが違うんですねきっと、この男は。
そして話は、トキソバ?という落語の話になり、カツギソバ?いつかやりたいという話になり、時間はあっという間に90分が経ち、風呂に溜まったお湯も冷めて来たこと、そういえば、またラジオ計画やりましょう!去年の3月に実現できなかったやつ、と話して、電話を切った。

寝る前、電話しながら書いた汚いメモには、いっぷく関西、ときそばやたい、かつぎそば(家が2つ)(補足2)、やなぎやこさん、かつらしじゃく、などとメモが残っていた。

本日夕刻、立ち食いそば屋が目に入ったので、入った。駅は近いが店内は自分しかおらず、後ろにもおらず、ゆっくりキツネコロッケをさがすがはやはりない。結局ミニかき揚げ丼のみ注文。セコい注文である。なぜか実現しないキツネコロッケ。

これがまたうまかったわけですが、食べている途中おやっさんに「兄さんちょっと」と、手招きされ呼ばれた。はじめ自分のこととは思わなかったのですが、なんか注意されるのかなぁと思いながら近づく。
「これサービスだ、今日は暇だな」と言って、長ネギとワカメの入ったそばつゆをお椀でくれた。「内緒でね」と。ちょうど先ほど、他のお客さんが入ってきて、僕は小さく笑顔でうなづいた。

そして、「うまかったです」と言って出て来た。

後味がよかったのは、このおやっさんは働いているのであって、働かされているのではないということです。働かされているとしたら、そんな言葉は出てこないわけで。

立ち食いそば(補足3)というのは、なぜか存在自体に魅力を感じていた。
なぜあんな駅のそばに小さく陣取っているのだろうとか、どういうイキサツで立ち食いそばで働くことになったのだろう、とか。
このあたりもDJシューカイに聞けば何か出てくるかもしれない。
建て替え前の下北沢駅にもあった、南口階段降りて右。新橋駅銀座口の立ち食いそばもなくなってしまった。

男同士の話で、立食い蕎麦の話をしていたら90分ではきかないのである。

補足1:私ヨーグルト田中・清水蜜柑・DJシューカイによる音楽ユニット
補足2:調べてみたら、担い屋台という文化があった。これやりたいな。どこかで売ってないかな。この屋台にDJ機材を積んでパフォーマンスしてみたら面白いのではないか。

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