=夕刻日誌=日常はエッセイにするとちょっとメルヘン。卒論のネタとスナックのママの話題のツマミとは似たようなものだ。デートにも使える話題のネタを紹介。満員電車のゆめかわいい暇つぶしにも。
愛称とあだ名
小学生の頃、キノッピオというあだ名の人がいた、きのこカットだったから。
中学生の頃、ゴリというあだ名の人がいた、ゴリっぽいから。高校の頃、健二と呼ばれていた、小沢健二に似ていたから。大学の頃、ヒゲデブと呼ばれる先輩がいた。
このように、見た目の特徴があだ名によくなっていた。それはけなしとかではない。愛称だ。
現代ではあだ名禁止の風潮である。体型のことを特徴としては言ってはいけないのだ。確かに好きでその容姿でなければそれを言われたくはないのはわかる。嫌がることは言いたくない。
しかしだ、見た目の特徴を言わないとその人のことが特定できない場合はどうすればいいのか。
先日のこと、髪を切りに行った。
吉祥寺に住んでいるときから、駅前の「ことぶき」という理容店でお世話になっている。
吉祥寺に住んでいるときは、行けばほとんど待たずに揃ってもらえて、僕がこのひとうまいなと、すごく気にいっている理容師の人がいつも切ってくれていた。
別に指名しているわけではなく、たまたまいつもそうだった。
ちなみに理容室って指名できるのか。
相模原に引っ越してからも、たまには吉祥寺に出てみるきっかけでもあってことぶきに行くのですが、その人にあたらなくなった。というか、その人を見かけない。
稲中卓球部なんて読みながら順番を待っていると、たまたま料金表が目に入った。
氏名は300円とあった。
もし指名したい場合なんて伝えればいいのかだ。
容姿を言っては駄目だ。まして相手は女性だ。
年齢を言っては駄目だ。相手は女性だ。
容姿を言えないと、その相手を特定できないのです。
なので指名できないのです。
現場にいるとき「あの方で」と言わないと。キャバレーなどの場内指名ってやつですね。
その理容師はからすると、容姿を言ってはいけないルールにより指名を逃していることになるんですよね。まぁ、あまり指名というのは関係ないのかもしれませんが。
結局、呼び方に愛があるかどうかってことですかね。
「そこに愛はあるのか」by江口洋介
そういう意味では、太陽にほえろ!の七曲署刑事の愛称は最高なのである。70年代という時代ながら現代でもOKなネーミングなのである。
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!