奈良屋の海賊盤現場検証「中央線 看護婦のユカ」第5話(最終話)  

短篇小説
短篇小説

ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。

第5話

ホシは残る男と二人で話していたが、だんだん対話もトーンダウンする。それはそういうもの。それとだんだん心細くなるような感覚を、アルコールで薄めているような気がするのは気のせいだろうか。そっと、友達にメールを送るが期待していない。返ってこない。ひとりで帰るか、この男と過ごすかを話に空返事しながら考えていた。

このひとの誘いのうまさというのは関係なかった。この状況で、自分は流れをどうしたいかだ。自分が主人公のドラマがあって、どうすすめたいかだけだ。相手の出方とかない。相手はそう、したいってこと。そんなのわかってる。

「私達もいきましょうか」

そのときの男の返事が忘れられないわ。

コンビニで缶酎ハイと鮨を買う。

歩いて渋谷のホテル街

男「ここにしようか」

女「うん」

缶チューハイで乾杯

男はすぐにははじめなかった。時間はあったから。そして、何回するにしてもまぁ時間はあった。

そうね、3回はしたかな。そういうときって何回もできるものね。もう会わないんだから。連絡先は交換したけど、記念にね。何かの役には立つかもしれないから。

それからは会ってないわ。

そうこの部屋。

どんなコトしたかも話したほうがいいですか?

はじめはこんなコト。

こんなふうに始まって。

ホシとその日を再現して…、した。

3回。

気持ちよかった。

ホシがその男と再び会ったなら、連絡をもらうことになっている。

おしまい。

作者 奈良あひる

作者紹介

奈良あひる

女に必要なのは断らない勇気。 それからというもの恋のめぐり合わせが始まったまりました。経験をもとにロマンスをお届けします。 井の頭Pastoralにも寄稿してます。

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