青春プチロマン小説 「100人の女と出逢った男と、100人の男に愛された女」 作/奈良あひる 写真/田中宏明

短篇小説
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短篇小説

が、池袋のバーにいる。


男はその日出逢った亜果利という女に話しかけたところである。
女はとなりの席に座っていたサトルという男と何やら話している。
さて、どんな展開になるのだろうか。

登場人物

男…好きな飲み物はおみくじソーダ35歳
女…趣味はエレベーターを使わないこと 25歳
亜果利…大学は地方だった31歳
サトル…夢はボールボーイ29歳

1時間後、

男は近くのホテルで亜果利の心と足を開き、入っていた。バーで飲んでいたときにこの展開はお互い予想できていた。男のリズムは亜果利の好きなビートを刻んでいる。ふたりはキスをして…

亜果利はバーで飲むのが好きだった。そして、つまみは気の利いたつまみより、気の利いた話題である。

1時間前のバー

亜果利のワインを美味しくして、酔わせた話題…

男「バーで飲んでいる男と女がバーを出ていく姿って、ちょっと色っぽいよね」
女「そうかしら」
男「僕の右隣で男女が飲んでいたでしょ。バーを出ていった僕らを見れば、男は刺激され必死で女を誘うだろうね」
女「そういうものかしら」
男「勝手にラブホに行ったって思うものだよ、男なんて。ねぇちょっとかけでもしてみない?僕らがこの店を出たあとに、となりの男は女をラブホへ連れていくことが出きるのか」

この店のそばに素知らぬ顔してラブホがある。その前のビルの2階の喫茶店からその入り口が見える。つまりは男は亜果利を喫茶店へ誘った。「暑くなってきたからアイスコーヒーでも飲もう」と。少し酔ったそぶりで「もし僕の予想が当たったらキスして」とさらりと言って、会計を済ませた。

喫茶店にて

アイスコーヒーが運ばれて数十分後、先程のバーでの、となりの男女はホテルに入っていった。亜果利の目には、その二人の距離感がやたら色っぽく見えた。
男「じゃあいこうか」
ふたりはホテルへ入ったのだった。
もう充分に火照った亜果利はいい状態に仕上がっていた。
何をしても気持ちいい。
あのふたりの入ったホテルへ

ここでの出来事、亜果利にとって、不倫ではない。
ゲームの流れである。それはとても気持ちよかったゲームであった。
亜果利はバーが好きなのである。

宇都宮の商店

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