プチロマン小説

短篇小説

青春プチロマン小説の習作「白い湯気」第3話— 濡れ縁 —作/奈良あひる

=青春プチロマン小説=ありそうでなさそうで、それでも起きそうなロマンスをお届けする短篇小説。きっとどこかで起きている。  「白い湯気」— 濡れ縁 — それから、二週間が過ぎた。彼からの連絡はなかった。私も連絡しなかった。互いの...
短篇小説

プチ小説の習作M『雨の夜には』奈良あひる

『雨の夜には』  会社帰り、地下鉄の階段を上がると、思いがけず雨に降られた。持っていた紙袋がじわりと湿る。六本木の交差点、信号待ちの群れの中に、傘も差さずに立ちすくむ私がいた。 男「どうして君は、いつも傘を持たないんだ」 ...
短篇小説

青春プチロマン小説「女が日本一周の旅に出るとき」第34話 作/奈良あひる

=プチロマン小説=ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。 第34話 加恵は街を彷徨い歩いた。 何も起きなかった。男には出会わなかった。さっきの男(陽...
短篇小説

青春プチロマン小説「女が日本一周の旅に出る時」第30話 作/奈良あひる

=青春プチロマン小説=ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。 第30話 加恵は宿に戻り、これまた対してない荷物をまとめた。チェックアウトまで時間がある。さぁ帰ろう...
短篇小説

青春プチロマン小説「女が日本一周の旅に出るとき」第28話 作/奈良あひる

=青春プチロマン小説=ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。 第28話 旅の終わりというものはいつくるのだろうか。 場所なのか、目的が達成したときか、興味が...
短篇小説

青春プチロマン小説「なんとなく想い出の鶯谷」読み切り 作/奈良あひる

ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。 想い出の鶯谷 沙羅(さら、会社員)は結局結婚していなかった。もうすぐ40歳になる。 正直時間を持て余している...
短篇小説

奈良屋の海賊盤現場検証「中央線 看護婦のユカ」第5話(最終話)  

ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。 第5話 ホシは残る男と二人で話していたが、だんだん対話もトーンダウンする。それはそういうもの。それとだんだん心細く...
短篇小説

奈良あひるの「私の想い出①」

彼と久しぶりにベッドを一緒にする。 新大久保のシティホテルに入った。エレベーターの中で私は… 夕食は、ジョナサンだった。ほとんど人は入っていなかった。 彼「こないだは気持ち良すぎてすぐ出ちゃってさ、あれか...
短篇小説

青春プチロマン小説「結婚後にもう一度」第10話 作/奈良あひる

三奈が男の物を触った手でラインを送った先はボーカルだった。もう何年前になるだろうか。送った内容「元気ですか?」の一言だった。 何回か書いては消して、結局送ったのはこの一言である。この一言で充分であった。 何度か...
短篇小説

青春プチロマン小説「結婚後にもう一度」第2話 作/奈良あひる

第2話 出逢いってないものかねぇ。10年前と言えば、SNSといえばmixiでマッチイングアプリなんてなく、出会い系サイトと呼ばれていた。私も地味にmixiなんてやっていて、日々のなんてことない日記なんて書いてみたりした。そう...
短篇小説

青春プチロマン小説「女が日本一周する時」第4話

ホテルを出てもまだ外は明るかった。 ホテルの中で、加恵は男とラインを交換した。そして男のインスタアカウントの入った名刺みたいなものをもらった。 写真はセレクトしてラインで送ってくれるとのことだった。わたしは、加恵は数時間前まで...
短篇小説

プチロマン小説
「振り向かせてキス」
作/奈良あひる

ホテルに入ったらまず大きな鏡の前に立つ荷物だけ下ろした姿でいい。コートなど来ている季節であれば着ていていい。 そして二人で写真を撮る。これからしますって顔がいい。ここで1枚だけ脱がす。 思えばメッセージを交わしているときからコ...
短篇小説

読みきり!プチロマン小説「私の想い出」 文/奈良あひる

=青春プチロマン小説=ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする短篇小説。きっとどこかで起きている。 私の想い出 保育士として働きはじめて2年目の夏、園児を迎えに来た父親と男女の関係になりました。その子に...
タイトルとURLをコピーしました