短篇小説 青春プチロマン小説「白い湯気」最終話 奈良あひる
「白い湯気」— 湯のまにまに —
三年ぶりに、その百貨店に入った。仕事の帰り道、たまたま時間が空いただけだった。いや、本当は、自分でも気づかないふりをしていただけかもしれない。
季節は初秋。日差しは柔らかくなり、吹く風にも少し...
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