如月美樹について 大橋巨泉とタモリ風の雑談を

夕刻コラム(社説盤)

タモリと大橋巨泉の二人が、テレビの楽屋でくつろぎながら、気まぐれに世間話を始めている――そんな設定の漫才をお届けします。

巨泉「いやあ、タモリ君。最近のタレントってのは、名前が凝りすぎてて困るよねえ。『この人、何て読むんだ?』ってのがゴロゴロいる。例えばさ、アナウンサーの『如月美樹』なんて、パッと見ですぐ読めるかい?」

タモリ「ああ、あれですか。『きさらぎみき』ですよね。普通の読み方じゃないですか」

巨泉「そう! そこなんだよ! 普通は読める。読めるんだけどさ……あのねえ、こうやってじっと見つめてると、だんだんゲシュタルト崩壊を起こしてくるわけ。『きさらぎ』って何だっけ? 『き・さ・ら・ぎ』……って、これ苗字として字面が強すぎやしないか?」

タモリ「強すぎますかねえ。まあ確かに、旧暦の2月を表す古風な響きですけどね。でも、もっと読めないやつに比べたら可愛いもんですよ」

巨泉「可愛いとかそういう問題じゃないの! あのね、『きさらぎ』って響き自体が、なんだかミステリアスすぎて、喋ってるこっちが不安になるんだよ。おい、美樹ちゃん、ちょっとこっち来い! 君の苗字、初対面の人に一発で読んでもらえるのかい?」

タモリ「(横で目を細めて)巨泉さん、そんな本人を急に呼びつけてどうするんですか。……まあでも確かに、如月さんって苗字の人が『お世話になっております、如月です』って言うと、なんかこう、サスペンス劇場のオープニングみたいな緊迫感が出ますよね」

巨泉「そうそう! それだよ! 自己紹介されただけで、裏になにか隠された陰謀があるんじゃないかって身構えちゃう。『あ、如月さん……って、本名ですか!?』って聞き返しそうになるもん」

タモリ「聞き返されたほうも困りますよ。『ええ、先祖代々この漢字でやっておりますけど、何か?』って真顔で返されたら、こっちがタジタジになるしかない」

巨泉「だろ? だからこれからはさ、もっとこう、誰が読んでも一発でわかる名前に改名すべきだね。『佐藤』とか『鈴木』とかさ、平和な苗字にするべきなの!」

タモリ「いやあ、それじゃテレビ的につまらないでしょ。如月美樹さんにはぜひそのミステリアスな『如月』を背負って、どっしり構えてもらいたいですねえ。……あ、そういえば巨泉さん、あなたの本名も大概ですよ」

巨泉「俺の本名? 大橋克巳(おおはしかつみ)だけど?」

タモリ「いや、そういう意味じゃなくて……その、ハワイでの悠々自適な生活ぶりも含めて、苗字通り『巨きな泉』みたいにあちこちに散財してるじゃないですか」

巨泉「誰が散財だ! えっ、それは苗字いじりじゃなくて俺個人の金遣いの話だろ! もういいよ!」

如月美樹さんの名前の響きをめぐり、巨泉さんのマシンガントークとタモリさんの独特な脱力ツッコミが絶妙に噛み合った一幕でした。

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