田中屋の夕刻コラム「大野智とタトゥー、宮古島の青」作り話/田中宏明

夕刻コラム(社説盤)
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大野智とタトゥー、宮古島の青


今年の夏、私は宮古島に旅立った。透明な海と白い砂浜、強烈な太陽の下で、ただぼんやりと波の音を聞いていた。東京の喧騒から逃れるように選んだこの島で、意外な人物の影が頭をよぎった。大野智だ。


Arashiの大野智は、グループ活動休止後も静かに自分の道を歩んでいる印象がある。ダンス、絵画、釣り。表舞台から少し距離を置いた彼の姿は、宮古島の穏やかな風景と重なる。派手さを求めず、深く静かに何かを表現する姿勢。島の海のように、表面は穏やかでも底には強い引力がある。


旅の3日目、島の小さなタトゥーショップを訪れた。観光客向けではなく、地元の人やリピーターが通う店だ。店主の女性に「海の記憶を残したい」と伝えると、彼女は微笑んで小さなデザイン画を見せてくれた。サンゴと波の線が絡み合うシンプルな線画。


大野智の表現者としての生き方は、きっとこういう痛みや決意を伴うものなのだろう。派手なパフォーマンスの裏側にある、静かな覚悟。


ビーチで一人星を見上げた。宮古島の空は東京よりずっと暗く、星が近い。波が足元を洗うたび、腕の小さなサンゴが少しずつ「ここにいる」と語りかけてくる。アイドルとして何万人ものファンを魅了した大野智が、今どんな場所で何を感じているのかはわからない。でも、この島で私は彼の「自由」を少しだけ分けてもらった気がした。


タトゥーは後悔しない。宮古島の海のように、時が経っても色褪せない記憶を体に刻んだから。いつか大野智がまた何かを表現するとき、私もその波に寄り添えるような気がする。

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