ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする青春プチロマン小説。きっとどこかで起きている。
第29話
加恵「あなたはこれからどうするの?」
浅田「わかんないなぁ、そんなの。なんで?」
加恵「私もわからない。でもどうしてこんなに満たされた気持ちなんだろう」
浅田「こうやって旅をしてきたんでしょ?真似できそうで出来ないドラマっていうかさ。その物語の中にいるからじゃない?」
加恵「そうかも」
浅田「俺は計画性なんてなくてさ、自分ってもんもそんなになくて、流されて生きてるよ」
加恵「可愛い子といっぱいエッチして?」
浅田「まぁね。こうしているとホント気持ちよくて、感謝の日々だよ」
加恵「私も感謝の旅だった。入れてもらって気持ちよくて」
「あ」入れてもらってだって、なんだかゲームに引っかかったような気分だ。その言葉なんてだれも何も気にしてなんかいないのだけど。
浅田「気持ちい」
浅田は反応していたのかもしれない。この加恵の日本一周の旅の中で、他の男にも入れられていることを。いや、入れてもらっていること。
素敵な時間を過ごしてきたこと、そして満たされていること。
浅田「生で入れていい?」
どうしてしまったのだろうと加恵は思った。きっと、妬いたんだわ。
浅田「一番いい思い出いしたい」
想い出をほしいと浅田はいった。もちろん加恵も一番いい思い出を作りたい。
加恵「うん…」
浅田は果てる時中には出さなかった。加恵の胸に出した。
加恵「明日帰ろうかな、東京に」
浅田「日本一周始まったばっかりじゃなかったの?」
加恵「そうなんだけど、なんだか満たされたから」
浅田「そうか」
浅田は満足そうな声でそういった。
加恵「見つかったのよ、自分が」
浅田「え…、自分探しの旅だったの?あれってほんとに自分みつかるの?」
浅田は自分とのベッドに満たさされた思っていたので、シュンと声がダウンした。
加恵「見つかるとは思っていなかったよ」
あ、ショックを受けたかな…
加恵「浅田さんとのエッチがよかったからよ。それで自分が見つかったの」
浅田のトーンはいっきに跳ね上がった。かわいいとこあるのね。
実際浅田のベッドテクはよかった。一番良かったかもれない。浅田は気持ちよさの先にある満たされるという感覚を意識していることは一緒にいて伝わった。いろんな女の子と寝ていて憎いやつではあるけれど。きっと相手を不幸にはしていない。そういうワンナイト。それをハナから断ってしまう女の子もいるかも知れないが、それはちょっともったいないとさえ思う。
私達は連絡先交換して眠った。
朝になってシャワーを浴びた。ふたりで。
そこでもう一回戦はじまりそうになったけど、意識的にとめた。また会うときの刺激を高めるためというあうんの呼吸のようなものだった。
浅田と加恵は大してない荷物をまとめ、加恵はホテルのドアを開けようとした。
つづく
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作者紹介
作者紹介奈良あひる
渋谷のOL女に必要なのは断らない勇気。 それからというもの恋のめぐり合わせが始まったまりました。経験をもとにロマンスをお届けします。
井の頭Pastoralにも寄稿してます。