青春プチロマン小説「女が日本一周に出るとき」第24話 作/奈良あひる

短篇小説
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短篇小説

第24話

満たされるとは… こういうことなのかもしれない。 だれも傷つけない。 そして感謝される。 そして気持ちいい。 それはすでに知ってたことなのか。 人ってこんなに気持ちよくなれる。

清々しさとはこういうことなのだ。 このあとどんなことだって頑張れる気がする。 地下アイドルの活動だって。 会社の厳しいノルマのなかでの仕事だって。 同年代との争いだって。

女同士のあれこれも。 それを旅は教えてくれた。 いや、これは旅だからなのか。 私は旅で知ったのだから。旅ということにしておこう。 お湯が溜まるまでの時間は素敵だった。

遊園地より好きかも。 浅田は先にシャワーを浴びることをすすめた。 一緒に入るんじゃないの? そう思ったけど、 一緒に入るのは、あとにとっておくんだと そんなようなことをいっていた。

このときすでに加恵は無意識に浅田を信用していた。 素直にバスルームへと入っていった。 バスルームから出ると、浅田が加恵にかける言葉に 私は心酔してしまった。

つづく

著者: 奈良あひる

読んでいただきありがとうございます。井の頭Pastoralの方にも別の作品を寄稿してますので、そちらもお楽しみください。

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