昔から、仕事において、切手に水つけて貼るのは面倒だなと思っていた。
ついに最近、最近といってももう何年も前からだけど、シールになった。
やっとなったかぁ。これは便利。これでいいのだ。仕事においては、と付け加えておく。
なぜ仕事においてはなのかというと、
80年代ラブレターと言えば、学校の下駄箱か、それか遠くの町へ郵送だ。
何度か下書きをして、やっと封筒にいれて、女の子がペロッと
切手をなめて貼るのである。
そこに想いが込められているだ。
男だとちょっと気持ち悪いかもしれないけどwそれでもピュアな気持ちは同じさ。
僕が、恋愛ものドラマを撮るとしたら、女の子がペロッと切手を舐めて貼るシーンはほしいのである。
でもすべてシールになってしまったらそれはできない。
子供に「昔は切手をペロッと舐めて貼ってたんだよ」とか言う親父になりそうだ、俺。
あの頃切手を舐めて貼ることに不衛生さは感じていなかった。
今は不衛生と言われてしまいそう。そういえば、昔はおとしたものも食ってたな、
3秒ルールとか言って。
男も女も。
エッセイ/田中宏明(写真家)
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