前回のあらすじ
普通借家契約とはずっと借りれる契約であること。
なので、期間満了というものはない。あるのは解約のみ。
契約が期間満了で終わらないことは誰でも知っていること。
例えば、この世に立ち退き料というものがあります。これは、簡単にいうと、賃貸人がテナントに出ていってもらいたいときに払うものです。もし、普通借家契約の期間満了で契約が終了するならば、これを払うことはなかったものと思われます。2・3年待てばいいのですから。
なので、期間満了で当然にというか、自然に契約がなくなるものではないのです。賃借人の権利のためにそうなっているのです。
更新なんて言葉がなくても契約はつづく
普通借家契約は民法上借りる権利がずーっと守られていて、勝手に終了するものではないのです。解約を宣言する他にないのです。期間満了にあわせて、何も宣言をせず、部屋の中のものをすべて片付けても、もちろん契約は終わっていません。賃貸人は、出ていったので勝手に他の人に貸したりできないのです。もしフラッとその賃借人が戻ってきて、部屋の権利を主張すれば、賃借人の勝ちとなります。夜逃げで出ていっても、賃貸人が中のものを片付けられないというやつですね。
物の所有権も賃借権も生きています。
解約しないかぎり契約がおわらない。つまり、更新しなくてもおわらないのです。
このあたり私も衝撃でした。この事を知ったときは。
意味の上で、普通借家契約に期間満了はなく、解約か違約などによる解除しかないのです。
よって、解約料はかかります。
文・写真/田中Mint