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BerryBerryBreakfast田中ライブ(9月7日)出演キャンセル
これまで散々告知していたのですが、7日のライブはキャンセルの運びになりました。
家族の体調不良です。会場・主催者側に迷惑をかけてしまいました。人生初のライブキャンセルです。ちょっとしびれますね。
これはひとつの恐怖症になりうるものであります。

夕刻コラム「大黒摩季弟急逝」
最近死因を発表しないニュースが多い。自ら身内の不幸を発表しながら、死因を発表しないというヘンテコともとれることも多い。
そんな中死因を発表するというのは、それだけで正常な人であり、男前を感じるのである。やはり90年代というリアルを起きている人はそのあたりの精神が違うのではないかと思われる。
大黒摩季はカッコいいと思う。
田中屋のシティスナップ

撮影/田中宏明

連載小説「女の風景写真」第11話 作/奈良あひる
その日、喫茶店の席に並んで座ると、由紀子は少し迷った末にパソコンを彼のほうへ押しやった。
「……ここまで書いたの」
声は自分でも驚くほど小さかった。
彼はいつものように画面を覗き込み、眉を寄せ、時に目を細めながら読み進めていく。
そこにあるのは、先日の夜のこと――彼に抱かれたときの鼓動や、肌に残った熱の描写。由紀子は自分がそれを「書き残し」「見せた」ことを、今さらながらに意識し、指先が震える。
「……これ、本当に、僕ですか」
彼が顔を上げたとき、視線の奥にいつもより強いものが潜んでいた。
由紀子は息を詰めたまま、ただ小さく頷く。
「文章にされると……逆に、抑えがきかなくなる」
その言葉は囁きに近かった。
次の瞬間、テーブルの下でそっと手を握られる。喫茶店のざわめきの中、指先に伝わる体温が異様に鮮明だった。
由紀子は視線を落としたまま、それを振り払えない。むしろ、心のどこかで「この先」を望んでいることを自覚してしまう。
「続きを……現実で確かめませんか」
耳もとで囁かれたとき、言葉よりも先に頬が火照っていた。
由紀子は、画面を閉じる。カチリという音が、合図のように響いた。
その小さな決意が、現実の関係を動かす扉を開けてしまったのだ。

つづく
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
出演ラジオ 第97回
田中屋のシティスナップ
田中屋のロード俳句
井の頭Pastoral