=田中屋式短歌= 松尾芭蕉に嫉妬して、バイクで旅して俳句するロードエッセイシリーズ。約30文字のメルヘン短篇小説へようこそ
俳句(田中屋式短歌57585)
時代とは 減っていくのか 増えるのか 中央線まで グリーン車
解説
吉祥寺の駅で中央線を待つ。
かつてこの町が自分の住む街だったというのは、町に変化を求めなくなる要因だった。
ホームドアなどいらないよ。このままでいてくれ。
列車が入ってくる。
普通列車のはずだが、2階建てに見えた。よく見るとグリーン車を導入したのだ。またよく見ると、只今の時間帯は普通車として乗車いただける、と。
時代は変わったものだ。中央線にトイレができたのだ。
トイレで怖い目にあった人は、トイレがある電車は安心だ。
グリーン車は乗ったことがない。そんなグリーン車を普通車として乗れるなんて。
時代は変わっちまった。
どんどんおもしろくなっている気がする。
メルヘン解釈
ほくほく線にもトイレを。
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!