田中屋の不動産管理あるあるエッセイ「大規模修繕をしよう!下請け業者と元請業者の責任範囲」作/田中Mint

不動産管理あるある
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大規模修繕をしよう!

そろそろ大規模修繕をしましょう!なんて管理会社はビルオーナーに提案する。
ここでいう大規模修繕とは、ビル外壁の補修・雨対策の防水だ。

登場人物

・ビルオーナー
・ビル管理会社
・施工業者

オーナーの承諾を得たならば、管理会社は施工業者へ発注する。
さぁ、ここから何をするかだ。


ひとつは近隣挨拶だ。

挨拶への持ち物として、どのような作業でどのような足場がかかり、越境あるかなど。この資料は当然施工業者が作ります。これの説明をしくじれば、この工事自体できるのかという話になってきます。

確実に施工業者が作ります。

持ち物

・工事おしらせ 概要
・工事工程表
・図面
・破損等あった場合の念書
・越境がある場合、菓子折り




近隣ビルオーナーへのあいさつは、本来ビルオーナーがやるという手がおすすめだが、コミュニケーションがとれない場合、業者がやることになる。
近隣ビルオーナーへの挨拶は管理会社と施工業者が一緒に行きます。質問や要望があった場合、その場で答える・応対することが楽であり、施工業者にしっかり責任をもってやってもらうことを意識付けるためでもあります。


それが終われば、次に施工業者が近隣テナントにお知らせ配布。

立ち位置について

誰が何をするかは立ち位置の確認でわかりやすくなります。
この計画では、管理会社とは発注者になります。
施工業者は受注会社です。
つまり、管理会社はオーナー側の発注者であり、仕事を受ける立場ではないことの認識が大事です。
これは、ビルオーナーに言うことではなくて、施工業者に認識させることです。

管理会社は発注者


管理会社はこの工事について、何か工事をするわけでもなく、何かを監修するわけでもなく、現場監督でもなく、施主です。
なので、段取り工事すべて、施工業者がおこなものであり、そこに管理会社の指示のようなものはないということです。

なぜ、そうなのか!

下請法

責任範囲の問題なのです。

もし、近隣のビルに傷つけた、近隣の土地においてある車に傷つけたなんてことがあったとしましょう。

この時、管理会社が段取りなどに入っていたら、その責任が管理会社にも来てしまうのです。
これは法的な話になります。ここはプロにおまかせしますといった態度で信頼に任せ、施工業者に責任持ってやってもらうのが普通です。
もし、施工業者の動きがわるくこのままではとりかかりに問題が起きてくるなんてことがあったら、施工業者がやるべきところを手伝うという立ち位置であります。
ここでの注意点は、当然としてやるのではなく、施工業者がやるべきところだが、かわって一部手伝うという立ち位置が必要です。

実際的に作業をしないここでいう管理会社は、プロの段取りに口出しなんて野暮すぎてしないといったところでしょう。

となると、すべては自然なことです。

作者紹介

田中Mint

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