直江津ラジオのパーソナリティDJシューカイのレコードエッセイ。レコードをおいしく聴くスパイスは,曲との出逢いとよもやま話である。レコード3分クッキング。
スティーブ・ライヒ「ディファレント・トレインズ/エレクトリック・カウンターポイント」オリジナルLP
「ディファレント・トレインズ」はアメリカ生まれのユダヤ人作曲家スティーヴ・ライヒが、自分の幼少時代と、同時期のヨーロッパで起こっていたホロコーストを、「汽車」というキーワードによって結びつけ、ミニマル・ミュージックの技法によって作曲したドキュメンタリー性の強い楽曲。
父親とともにニューヨークで暮らしていた幼少のライヒは、ロサンゼルスに移り住んだ母親に会うためにたびたび家庭教師の同行を得て汽車で旅行をしていた。
後にライヒは、
「もし、ユダヤ人である自分があの時代にヨーロッパにいたらどうなっていただろうか?おそらく、強制収容所行きの、全く違う汽車(Different Trains )に乗ることになっていたのではないか?」
と考え、このことが作品を書くきっかけとなった。
A面『ディファレント・トレインズ』はあらかじめ録音された、弦楽四重奏の演奏、話し言葉の断片、電気的に加工された汽車の音、サイレンの音のテープを流しながら、弦楽四重奏が生演奏を行う。かなりメッセージ性は強いですが音楽性を損なう事はありません。
B面『エレクトリック・カウンターポイント』は、12本のギター&ベースによるフェイズ作品で、フュージョンギタリストの大御所パット・メセニーが澄み渡る美しいギターを展開。リバーヴやフレーズのズレ具合がとにかく絶妙!特に「エレクトリック~」の心地好さは絶品で数多あるミニマルミュージックのひとつの到達点ではないかと思います。
コンテンポラリー・ミュージックとしても人気のあるライヒのオリジナルLPも近年高額してきたように思います。その中でもこのアルバムは頭ひとつ抜きんでます。ジャケットも電車のレールにギターのネックを見立てるデザインでこちらも秀逸な一枚です。
作者紹介 DJシューカイ
田中「高田小町で行われたファッションショーのDJプレイを見て出逢う。美輪明宏の「悪魔」をかけていたことは特に衝撃。過去に敢行していた、高田公園での路上DJ活動の話に共感。その後、彼の上越歴史探訪や定食屋探訪についていくことになる」
ラジオバンドBerryBerryBreakfastのオールデイズRadioパーソナリティ(ディナータイム担当)
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