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「田中屋の海賊盤報道写真」銀座通りパレード
リオオリンピック凱旋パレードIn銀座バドミントンピンの銅!奥原選手を見たかったのですが、反対側で見れませんでした。

この写真はすべて嘘である。

どこがどう加工されているのかもわからない

ただこの写真には、撮影者/田中宏明とある

撮影/田中宏明
田中屋のシティスナップ「柴又の女」

柴又スナップ 撮影/田中宏明
連載小説「女の風景写真」作/奈良あひる
夜が更けても、部屋の灯りは消えなかった。
その明るさの中で、ふたりは何度も距離を測り直していた。
ほんの数センチの差が、触れることと触れないことの境をつくる。
けれど今夜、その境界線は曖昧に溶けていった。
言葉はもう、ほとんど役に立たなかった。
由紀子が小さく首をかしげただけで、夫はその意図を察した。
視線が重なるたび、過去と現在の輪郭がぼやける。
思い出のなかの彼女と、いま目の前にいる彼女が、少しずつ同じ呼吸を始めていく。
それは、懐かしさとも安堵とも違う。
むしろ、心のどこかに残った痛みが、温度を持ちはじめたような感覚だった。
何かを取り戻すというより、失ったものの形を、もう一度なぞるように。
由紀子がふと立ち上がる。
薄いカーテンの向こうで、街の灯りが淡く瞬いている。
その光が彼女の横顔に触れると、まるで遠い海を思わせる静けさが広がった。
夫はただ、その背中を見つめていた。
かつては隣にいながら、届かないと感じた距離。
それを、今はようやく受け入れられる気がした。
触れようと思えば届く。
けれど、その一歩を踏み出すより前に、互いの存在を確かめる。
呼吸が重なり、時間がひとつの点で静止した。
その瞬間、ふたりのあいだに流れるものが変わった。
愛情でも、執着でもない。
それは、長い漂流の果てにようやく見つけた「陸」のようなものだった。
つづく
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活&放送作家として日テレ・フジテレビ・テレビ朝日を出入りする。現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
出演ラジオ 第99回
田中屋のシティスナップ

