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夕刻コラム「広末涼子 オールスター後夜祭 番組を訴える」
「オールスター後夜祭」では、「次のうち、時速165キロを出したことがないのは誰でしょう」とMCの高山一実が出題。答えとして「1 大谷翔平」「2 佐々木朗希」「3 伊良部秀輝」「4 広末涼子」の4択が表示されると、スタジオからは戸惑う声が上がった。正解は「3 伊良部秀輝」で、高山が「広末さんは事故を起こした際、ジープグランドチェロキーで時速165キロを出していたと報じられています」と解説すると、スタジオからは笑い声とともに大きな拍手が送られていた。
よくTBSもOKしましたね。
漫才師のネタが現実社会に飛び出したようだ。
犯罪で被害者がいるものに対してそれをネタにするっていうのは、どうかしてるぜ！テレビってそういうものだったっけ？
なんか昔のテレビはめちゃくちゃでそれが良かったとかいう考えがあるけど、これはそれとは違うぜ！
被害者があるものの気持ちがわかっていないね。そのあたりの判断ができていないあたりが、ちょっとテレビが怖くなりました。僕は本来テレビを信じている側の人間です。
田中屋のシティスナップ
連続小説「女の風景写真」第43話 作/奈良あひる
夜、食卓の明かりの下で、ふたりは再びノートを開いた。
いつのまにかその時間は、日課のようになっていた。
食後の皿を片づけ、湯気の立つカップをそっと脇に置く。
それから一言ずつ、交代で物語を書いていく。
夫が書いた新しいページには、
〈男は、女の手首に残るかすかな跡を見つけた〉
とあった。
由紀子は、その文を読んで胸の奥がひやりとした。
——まるで、あの夜のことを知っているみたい。
けれど、それを口にすることはできなかった。
静かにペンをとり、続きを書いた。
〈女は笑って言った。“昔のことよ”〉
書き終えると、夫の視線が紙の上から外れた。
彼の表情には、わずかに影が差していた。
「……“昔”って、いつのこと？」
声は穏やかだったが、そこに潜む温度が違っていた。
「さあ、物語の話よ」
由紀子は微笑みながら言ったが、その笑みはどこかぎこちない。
夫は視線を落とし、少し考えるようにしてからペンを動かした。
〈男は、女の言葉を信じたふりをした。〉
その一文が書き終わる音が、妙に重く響いた。
部屋の空気が少しずつ沈んでいく。
ふたりはそのまま無言のままページを見つめた。
しばらくして、夫が小さく笑った。
「物語って、怖いね」
「どうして？」
「書いてるうちに、本当のことと嘘のことの境が分からなくなる」
由紀子は、指先でノートの端をなぞった。
その白い紙に、いくつもの影が重なって見えた。
まるで、現実の中にもう一つの現実が滲み出しているようだった。
「……じゃあ、次はあなたが書いて」
夫の声に促され、由紀子はペンを持つ。
考える間もなく、文字が流れた。
〈女は、彼の目の奥に自分の罪を見つけた。けれど、それでも見つめ返した。〉
書き終えると、夫は短く息を吸い、ノートを閉じた。
「今日はここまでにしよう」
その言葉に、由紀子は静かに頷いた。
テーブルの上には、閉じられたノートが一冊。
その表紙の下で、現実と物語が少しずつ滲み合っていく音がした。
つづく
作者紹介
田中宏明 １９８０年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家。
２００３年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活＆放送作家として日テレ・フジテレビ・テレビ朝日を出入りする。現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。
◆写真家：シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家：ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中！
出演ラジオ 第99回
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