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夕刻コラム「タレント・ユージ「経験積んで総理より総理になれば経験積める」」
例のごとく避難コメントを寄せ集める炬燵記事

僕は言っている意味わかりますね。
例えば、会社の社長が「2週間海外旅行いってきまーす」と連絡つかなかった場合(昭和のノリ)。その会社ってつぶれちゃんうんですかね?つぶれませんね。
その他のメンバーが、今まで通りに会社をまわします。ナンバー2が何か代行することもあるでしょう。
今回の場合(ユージの例え)は、経験の少ない人とは言え、選ばれた人というのは前提だと思いますので、(くじで決めるという意味ではないですよね?)、海外旅行に行くわけでもなく、ブレーンで考えながら進めていくってのは特に国がつぶれるとか国民が生活できなくなるとかはないと思います。
いつもいつも総理を批判していて、いなくなったら国がつぶれちゃうとか思うのかな。
、あ、そうか、いつも批判のコメントばかり集めているので、一貫性はないですよね。
ということは、国がつぶれちゃうというひとは総理の実力というものを信じている人であり、批判屋ではないということですかね。
僕は極端に言えば、総理大臣がいなくてもいいんではないかと思っているぐらいです。
いつもいつも総理を批判しているなら、もうだれもやらないぜってなってもいいかもしれません。
そうなると、ほんとくじで決まった総理の誕生というのもあるかもしれません。
田中屋のシティスナップ

吉祥寺スナップ 撮影/田中宏明
連続小説「女の風景写真」作/田中宏明

その夜、由紀子は机の上に一冊のノートを置いた。
いつものパソコンではなく、手書きのノート。
白いページの上にボールペンを置くと、胸の奥が少しだけざわめいた。
「ここに、書いてみようか」
夫の声は穏やかだった。
由紀子は頷き、ページをめくる。
紙の擦れる音が、まるで新しい呼吸のように部屋に広がった。
最初に書いたのは、他愛のない一行だった。
「今日は、昼に風が強かった」
その隣に、夫がさらさらと文字を足した。
「洗濯物が飛びそうになった。君が外に出て直していた」
ただそれだけの交換が、なぜか胸を熱くした。
会話では届かない距離を、文字が少しずつ埋めていく。
しばらく沈黙が続いたあと、夫が小さく笑った。
「こうして書くと、なんだか他人みたいだな」
「他人になってみるのも、悪くないかもしれない」
由紀子も笑いながら答えた。
夫はその言葉に何かを感じたように、視線を落とした。
「……じゃあ、続きは“物語”にしようか」
「物語?」
「うん。僕たちがもし、はじめて出会ったら——っていう設定で」
その提案に、由紀子の指先が止まった。
胸の奥に、あの喫茶店の午後がよぎった。
バイクの音、カップの縁に残った口紅、そして初めてのまなざし。
「いいわね」と由紀子は答えた。
その声には、少しの震えがあった。
夫は新しいページを開き、ゆっくりと書き始めた。
〈男は午後の光の中で女を見た。風のにおいがした。〉
文字を追う由紀子の視線が、自然と夫の横顔に滑った。
その手の動き、その呼吸の間隔。
まるで、かつて別の誰かと過ごした時間が、少しだけ姿を変えて甦るようだった。
「……次は、私が書く番ね」
由紀子はペンを受け取り、少しだけ考えてから書いた。
〈女は、見られていることに気づいていた。〉
その瞬間、二人の間に微かな沈黙が落ちた。
けれど、それは気まずさではなく、確かな繋がりの証のようでもあった。
ノートのページには、まだ余白がたくさんあった。
それを見つめながら、由紀子は静かに思った。
——この続きを、どう書くのか。
それが、これからの二人の形なのだろう。
つづく
田中宏明編集!ZINE「井の頭Pastoral」販売中!
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活&放送作家として日テレ・フジテレビ・テレビ朝日を出入りする。現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
出演ラジオ 第99回
田中屋のシティスナップ