男は馬之助
プロレスラーになった時は親戚がみんな喜んでくれた。
悪役レスラーになってからは、親戚の子どもらに来ないでと言われたらしい。
子どもって素直に受け入れるんだよ。悪役ではなくて悪のレスラーって思うんだよね。
僕も小学生の頃、SSマシン・後藤達俊・ヒロ斎藤が嫌いだったからな。
中学生になって以降はヒーローだった。勝てないレスラーなんだけどかっこよくて、応援しちゃうのよ。

ヒロ斎藤は、上田馬之助に金髪でリング立つことの許可というか、挨拶をしにいったらしい。
こういうエピソードは、本を読まないと知ることが出来ない。

自分の憧れている人物も誰かに憧れていて、それを知るとまたつながっていくということの大切さのようなものを感じる。
僕もだれかの憧れになれるようにしなければいけないということだ。そうでないとつながりが途絶えるということだ。

文/田中宏明
1983年初版


