=田中屋スポーツ新聞=新聞を読めと言われた世代!?読むならスポーツ新聞だな。情熱といかがわしさのサンドウィッチ。ジャンクな話題をコーヒーで流し込め!学校でも職場でも使える話題をお届け

夕刻日誌「人物興味度チェック表」
それは飲みに行く約束が取り付けたとして。
自分から断りたくないけど、断ってもらいたいときのウラワザを考えたことがある。
そんなことより、自分への興味がどれだけあるかを事前に知るというのも社会を生き抜くためにも必要な情報ではなかろうか。
勝手にネタにしてあれこれ考えるのも面白い。
それは20代の頃「伊東家の食卓」という番組のADをやっていたことによるクセだった。
今度二人でご飯を食べに行くとしよう。飲みにいくでもいい。
そこで、第三者にお願いして、第三者から
「田中はゲイだから気を付けた方がいいよ」と相手に情報を入れる。
ここで、相手は「ちょっと都合悪くなっちゃって」とことわってくるのか。
次に別の人に「田中はねずみ講にはまっているから気を付けた方がいいよ」と情報を入れる。これでどうだ。ご飯に行くの怖くなってきただろう。
ラストはこれ、「田中は新興宗教にはまっているから気を津つけた方がいいよ」
この情報が入っても断ってこなかったら、本物だ。
その他「ゼルダの伝説にはまっているから気を付けた方がいい」
「スキャットマンジョンにはまっているから…」などがある
夕刻コラム「101回目のプロポーズ続編と鈴木あさむ」
102回目のプロポーズというドラマの製作が発表された。企画は業界を引退したはずの鈴木おさむだった。
これはもう鈴木おさむ出てこなくていいですよ。
なんで引退宣言したんだよ。鈴木が辞めてからも放送作家の世界で動いている人がいて、鈴木おさむがいなくなって、その枠を狙えるチャンスができたという感覚でしかないわけで、もうほんと出てこないでよといった気持ちが正直なところだ。
面白いことを考えたものが勝つでもいいんだけで、それだったら引退宣言するなよ。
これが老害といポリープなんだと思う。
田中屋のシティスナップ「渋谷コーヒーTOPの女」

撮影/田中宏明
連載小説「女の風景写真」第14話 作/奈良あひる
翌朝、由紀子はまだ身体の奥に昨夜の熱を残したまま、夫と向き合って朝食の席に座っていた。

食卓には湯気の立つ味噌汁、焼き魚、新聞。
いつもの光景。何一つ変わらないはずなのに、自分の中の感覚だけが別物になっている。
夫が新聞を広げる音が妙に大きく響き、箸の先で魚をほぐす仕草までがぎこちなく映る。
「今日は早めに出るよ」
そう言う夫に、「そう」と短く返す自分。声の調子に、彼女自身が違和を覚える。
――たった数時間前、別の男の胸に顔を埋め、息を乱していた。
その事実を思い出すと、舌にのせた味噌汁の味まで遠く感じた。
「顔色、悪いな。眠れなかった?」
夫の問いかけに一瞬息を止める。
眠れなかった――確かにそうだ。彼の体温に包まれて、幾度も目を閉じ開けし、結局ほとんど眠れぬまま朝を迎えたのだから。
「ええ、少し……」
そう取り繕って微笑むと、夫は納得したように頷き、再び新聞に目を戻した。
窓から差し込む朝の光が、テーブルクロスの模様を鮮やかに照らす。
その光景は、妻としての自分を静かに呼び戻すようでもあり、同時に「もう元には戻れない」と告げるようでもあった。
食事を終え、夫を玄関で送り出す。背中が角を曲がって消えた瞬間、由紀子は深く息を吐いた。
――罪悪感は、確かにある。だがそれ以上に、あの夜を思い出すと身体が温かくなる。
洗い物をしながら、由紀子は自分の中の二重生活を意識する。
一方には平凡な妻としての毎日。
もう一方には、日記に書き綴られた、燃えるような自分。
どちらが本当の自分なのか。
食器に映る揺らいだ顔を見つめながら、由紀子は答えを出せないまま、泡立つ水に手を沈めた。

つづく
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活&放送作家として日テレ・フジテレビ・テレビ朝日を出入りする。現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
出演ラジオ 第97回
田中屋のシティスナップ