日刊!田中屋スポーツ新聞9月10日(Wed)「松山千春と着信拒否 小説13」編集/田中宏明

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夕刻日誌「人生初の着信拒否(心理状態)」田中宏明

連絡先変ったのかと思ったら着信拒否されてたことが分かった。これってこういう感じなんだぁって。

人のキレポイントというか、どこで嫌になってしまうのかというのはわからないものだ。

それでも、普通に共通の知り合いは連絡取れたりしていて。それは僕にとってはちょっと寒いエピソードな気もするけど。

これは長ーく様子を見るしかないかな。

ただひとつ思い出すことがあって。僕も20代の頃は連絡を返せなかった。
僕の場合は、みんなしっかりとした正しい人生を送っていて、僕はすさんだ人生で、人に連絡を取ることができるような自信がなかったのだ。
結婚式があったって、「休めない仕事がある」とか訳の分からないことを言って行かなかった。
それは相手はどう思ったかわからないが、それしかできなかった。

まぁ、これは僕のストーリーだが、今回はどんなドラマが起きているのか。きっと青春ドラマの中にいて、連絡できる状態ではなかったのかと想像する。

とりあえず生存確認はできたということか。

昔生存確認のためにSNSをアップしているという人がいた。それは強烈なギャグだった。

夕刻コラム「松山千春構文」田中宏明

松山千春が亡くなった橋幸夫についてコメント
「その5歳の俺がだぞ、あの『潮来笠』覚えてるんだよな。着物着て出てきたりしてたっていう、あれもしっかり覚えてるんだよな。そういう意味で、相当インパクトがあったんだろうな。いわゆる、その演歌というものからちょっと違った、いわゆる歌謡曲とも違う流行歌みたいなな。そういう音楽の変わり方も感じさせてもらえたかなと思いますけど」

松山千春が橋幸夫さんを追悼「5歳の俺がだぞ、潮来笠覚えてるんだよな、相当インパクトが…」(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
 歌手松山千春(69)が7日、FM NACK5「松山千春 ON THE RADIO」(日曜午後9時)に生出演。4日に肺炎のため82歳で亡くなった歌手橋幸夫(はし・ゆきお)さん(本名橋幸男=はし・ゆき

この構文「…がだぞ、○○だよね」
これは松山千春の喋り口調をよく表してますね。

僕が松山千春が喋っている姿を見たのは、90年代ヘイヘイヘイでした。あの番組は松屋は千春を僕らの世代でブレイクさせた、松山千春にとっても大事な瞬間だった思います。
その中でもこの「…がだぞ」を使っていました。今も変わってないんですよね。

これは松山千春の才能だと思うんですが、言いたいこと言ってても、かわいげがあるというか、生意気なやつだなぁとは思わなかったのよ。それで、過去の曲演奏して、ドラマ「みにくいアヒルの子」の主題歌「君を忘れない」うたって、感動した。当時この8cmCD買いましたよ。今僕の机にも転がっています。

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田中屋の出前BGMもよろしくお願いします。

田中屋のシティスナップ「新井 杉村屋の姉さん」

新井の女 撮影/田中宏明

連載小説「女の風景写真」第13話 作/奈良あひる

白いシーツの上、天井を見つめながら、由紀子は静かに息を整えていた。
 外の光は傾き、薄いカーテンを透かして部屋を橙色に染めている。耳に残るのは、自分と彼の呼吸の重なりだけ。

 「……本当に、こんなことになるなんて」
 彼がぽつりと呟いた。声は驚きと安堵の入り混じったような響きだった。

 由紀子は首を横に振り、笑みを浮かべる。
 「私も、想像していた以上に……ね」
 言葉を探しながら、胸の奥に押し込めていた感情がふいに溢れそうになる。

 罪悪感が全くないわけではない。けれどその一方で、体中にまだ残る温もりが、現実を肯定する力を持っていた。

 「日記に書くんでしょう?」
 彼がふと横を向き、由紀子の瞳を覗き込む。
 由紀子は一瞬たじろいだが、やがて頬を赤らめながら小さく頷いた。
 「……ええ。忘れないように、書きます」

 その答えに、彼の目がわずかに熱を帯びる。
 「じゃあ、僕は……その続きを読めるんですね」
 「そう……あなたに読んでもらうために、書いてるんだもの」

 言い終えた瞬間、由紀子は自分の声が少し震えていることに気づいた。
 彼は静かに手を伸ばし、彼女の指先を握る。
 その仕草は先ほどまでの熱とは違い、どこか確かめるように優しい。

 「罪悪感は……ありませんか」
 唐突な問いに、由紀子は息を止めた。
 けれど、正直に言葉を紡ぐ。
 「ないと言えば嘘になる。でも……それ以上に、今のことを後悔したくない」

 彼は短く頷き、視線を天井に戻す。
 二人の間に、心地よい沈黙が流れた。

 ――罪と快楽の境目に立ちながら、由紀子は思う。
 自分はすでに「日記の主人公」であり、その先を綴ることに心を奪われている。
 次に彼と会うとき、どんな続きを書き、どんな続きを生きるのだろうか。

 窓辺から忍び込む夕暮れの光は、まるで新しい物語の予告のように、二人の影を柔らかく包み込んでいた。

つづく

編集者紹介 

田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家。  

2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。  
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集  
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中! 

出演ラジオ 第97回 

第97回!BerryBerryBreakfastのオールデイズ直江津Radio ヨーグルト田中とDJシューカイ

田中屋のシティスナップ 

田中屋のシティスナップ 旅情俳句前夜「雨に濡れる高田馬場の女」撮影/田中宏明 #サーファー #shorts #zine 
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