=タナスポ=小さい頃からのイメージ、スポーツ新聞の適当さといかがわしさがエンターテイメント!のオマージュコーナー
はんだでゾウさんギター修理
ギターが音でなくなったなんていったら、近くのギター屋の持って行ってものだ。
吉祥寺北口の新星堂ロックインの修理工房の兄ちゃんはいいやつだった。しかし、ロックインもなくなってしまって、どこへもっていけばいいのだろう。
まぁ自分で直せよってことだよね。
自分で直そうとしたら、もっと壊れるというのを恐れて分解しないのだけど、もう壊れたんだからもっと壊れてもいいっしょってことで、分解してみると、一発で原因がわかったりするんだよね。
あとは道具あればできるってこと。
中学2年のとき、技術の授業ってのがあって机用の照明を作ったんだよね、そういうキットがあってさ、ハンダゴテを使って作るの。その照明は今も僕の机で活躍してるのよ。蛍光灯が切れないのが不思議なのさ。
DEEN池森が日本武道館で蕎麦屋をオープン

いつも思うのですが、ディーンフジオカといいう間違った表記があります。
整理しておくと、DEENは池森で、フィールドオブビューが浅岡です。混ざっちゃったんですね。
本日の写真

吉祥寺の女 撮影/田中宏明
本日の連載小説
連載風景小説 作/奈良あひる
午前の光がまだやわらかいうちに、由紀子はマンションの駐輪場からバイクを押し出した。三十を過ぎてから免許を取った小型のスクーターである。夫は相変わらず、「危ないからやめたら」と口にするが、台所とスーパーと保育園の送り迎えだけで一日が過ぎていく暮らしに、どこか風を入れたい気持ちが勝った。
エンジンをかけると、小さな震えが体に伝わる。マンションの通路を抜け、広い道路に出ると、季節のにおいが頬をかすめた。八月の終わりの風は湿っていながらも、秋の影をほんの少し含んでいる。
目指すのは、駅前から少し離れた喫茶店だった。チェーン店ではなく、木の扉に真鍮の取っ手がついた、古いタイプの店。夫は行ったことがないだろう。仕事で忙しい人には、こういう無駄がある場所は似合わない。
店に入ると、深煎りのコーヒーの香りが迎えてくれた。客はまだ二組。窓際の席に陣取ると、ノートパソコンを開いた。ワードの白い画面がひらけて、カーソルが点滅する。何を書きたいわけでもない。けれど、頭の中に散らかった思いを整えるには、この小さな四角い光が都合がいい。
昼の支度を心配する必要もない。夫は出張、子どもは義母に預けている。束の間の解放感が背筋に広がり、由紀子はひと口、ブレンドを含んだ。苦味が舌にからみ、心臓の鼓動が少し落ち着く。
窓の外では、信号待ちの車列が途切れ、蝉の声が一斉に押し寄せては遠ざかる。画面に向かって文字を打ち始めると、それは日記のようでいて、手紙のようでもあった。夫に宛てるでもなく、子どもに読ませるわけでもない。ただ、自分が生きている証を、ことばの形にして残しておきたいのだ。
「奥さま、もう一杯いかがですか」
店主の声に顔を上げると、白髪まじりのマスターが笑っていた。彼の落ち着いた物腰に、由紀子はわずかに救われる思いがした。自分がここにいてもいいと許されているようで。
パソコンの画面には、意味のない文が並んでいる。「私は私を忘れてはいけない」と書いて、すぐに消す。次に「風の中で呼吸をしている」と打ち、また消した。何も完成させる必要はない。ただ、この行為が大切だった。
午後の二時を回った頃、由紀子はパソコンを閉じた。長くいたわけでもないのに、心はすっかり洗われたようだった。再びバイクに跨がると、排気音が街に溶ける。帰り道、スーパーの袋を下げて歩く主婦たちを横目に見ながら、自分もすぐにその群れに戻ることを知っていた。
けれど、それでいい。ひとときだけでも、彼女は自分の時間を持ったのだから。
つづく

BerryBerryBreakfast現場ラジオライブのお知らせ
9月7日南林間チャンドラ・スーリヤ
17:30 スタート
ラジオドラマ「わけありキャバレー」
オールデイズ直江津Radioモーニングを現場で実演
ラジオドラマと演奏の一人舞台
脚本・音楽・出演/田中宏明

チャージなし (投げ銭制)
飲食代2000円ぐらい
編集者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
出演ラジオ 第95回
田中屋のシティスナップ
田中屋のロード俳句
田中屋のロード俳句のテーマ「それって感情の環状ってことよね」
井の頭Pastoral
わけありの女