=青春プチロマン小説=ありそうでなくて、それでも起きそうなロマンスをお届けする短篇小説。きっとどこかで起きている。
新中野の女
新中野のホテルに入った。久しぶりのベッドだった。
男「ゴムつけてみて」
はじめてそんなことを言ってみた。女とは数年振りだった。なんて言うだろうかと思って。
女は「うん」とほほえみ、枕もとに手を伸ばした。
目の前に現れた胸をやさしく揉む。
女はゴムをつける下準備をして、スムーズにつけた。
説明書に書いてあるやり方だった。
もともとそういうことをしていたのか、この数年で知ったのか。
まぁ18、19じゃあるまいし。
いつもより気持ちよかったのは、久しぶりだったからかなのか、その数年に何かあったからかなのか。トロトロに混ざってしまった。

作者紹介
奈良あひる:1990年生まれ。渋谷のサラリーウーマン。経験をもとに趣味で短篇小説を書いています。
井の頭Pastoralにも寄稿しています。
zine編集者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
出演ラジオ 第90回
田中屋のロード俳句
田中屋のロード俳句のテーマ「それって感情の環状ってことよね」
わけありの女