=田中屋式短歌= 松尾芭蕉に嫉妬して、バイクで旅して俳句するロードエッセイシリーズ。約30文字のメルヘン紀行へようこそ
2024年12月 怪しい少年少女博物館
俳句
怪しいより うっかりしたい 男女仲
解説
下田の旅は終わりかけていた。城ケ崎海岸でも目掛けて車は走っていた。
そういえば聞いたことのある伊豆スポットを通りかかったのだ。
大人1100円 今の僕にはちょっと迷う金額なのだが、とにかく遠い町なので、GOだ。まったく損失感の内容であった。これは東京にはない。東京からかなり時間をかけてでも行く価値がある。
その理由は、怪しさである。憧れの怪しさ。人のもつ怪しさ。
男女仲は深まるしかないのだ。
怪しいという言葉は、言葉の力のみで怪しさを表現している。「うっかりした」には無限のあやしさが含まれている。昔のうっかりした女の言葉が染みるのである。
メルヘン解釈
ここまで「怪しい」をフューチャーすると、ネットでは「そこまで怪しくなかった」という感想が溢れている。
僕は「怪しい」を感じた。
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送