田中屋の夕刻日誌「スナックのママの言う“この世で一番強いもの”は」文/田中宏明

夕刻日誌
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夕刻日誌

=夕刻日誌=日常はエッセイにするとちょっとメルヘン。卒論のネタとスナックのママの話題のネツマミとは似たようなものだ。デートにも使える話題のネタを紹介。満員電車の脳内暇つぶしにも。

この世で一番強いもの

スナックの扉の向こうでは、何を話しているのだろう。カラオケの音が聞こえて来るときはあるけど。

この世で一番強いものは愛

この世の中で一番強いものは何?とスナックで話題にしたことがある。

ママは迷っていた。

僕「え、愛じゃないんですか?即答してくれると思いましたよ」

ママ「愛はこの世で一番もろいわ」

ではこの世で一番強いものは何なのだろうか。

カウンターのあちこちから候補が出る。

金持ち、権力、名誉、シュワルツネッガー、石原裕次郎、芸能界のドン、

そして、ラオウ、ケンシロウまで発展し、

ママは言った。

「この世で一番強いのは…、カブトムシよ」

は?なんて雰囲気になりながらも、ママは「なんてね(笑)、この世のすべてのものを同じ大きさにしたら、カブトムシが一番強いらしいわよ」

僕「あ!」

それ、僕も聞いたことがある。もうどこで誰に聞いたかも覚えていない。でも聞いたことある。ホントかよ!と当時信じていなかった。例えば熊の方が強いんじゃんないか。素手の勝負なら。しかし、人間は道具を使って、熊だって、そのでかいカブトムシだって押さえつけるのではないかと。

とりあえず、嘘だと思った。信じられなかった。

ここで、その噂に再開できるとは、

いsかし、やっぱり信じられない。

まず、すべての物を同じ大きさにするという前提が、リアリティがない。ネットのない時代の出鱈目だ。

それでも、その設定は面白い。すべてのものを同じ大きさにしたら。

この発想は、こういう設定から、アニメだとか非現実的な設定を思いつけると言うか。メルヘン発想、SFだ。

スナックでは最終的に、話はそれまくって、熊のサイズのカピバラを飼いたいという話になった。

スナックのママとは現実と非現実を自由に行き来できるシシ神さまのようなものなのかもしれない。

※獅子神様は生と死を自由の行き来できる

この世で一番強いものは何かという話題はみんな忘れている。

スナックの扉の向こうでは、カラオケが鳴っていないとき、そんなことを話しているらしい。

このスナックでは、権力・肩書の持ち込み禁止なんだとか。

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作者紹介

田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。

2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。

◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集

◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送

出演ラジオ

第75回!「BerryBerryBreakfastのオールデイズ直江津Radio」ヨーグルト田中とDJシューカイ 「闇夜の峠道(茅野)を走る」「妙高市天龍食堂」

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