アントニオ猪木
アントニオ猪木が2022年10月1日に亡くなってから4年が経過した今、元付き人の蝶野正洋が彼をスーパースターとして振り返っている。蝶野は1985年頃に付き人を務めた際、体調が厳しかった猪木がファンだけでなく配下のレスラーの前でも常にスターとしての姿を演じ、部屋でもトレーニングを続けたり風呂をきれいにしたりしていたと語る。そのストイックさに気づいた蝶野は、猪木が一人で休めるようあえて一歩引いた付き人を心がけたという。猪木の試合で最も印象に残っているのは、北朝鮮でのリック・フレアー戦で、ほぼ初対面ながら19万人を沸かせた名人戦だったと述べている。

タモリと大橋巨泉の漫才
巨泉「いやぁ、タモリ君。君も長いことこの世界にいるけどさ、一つ気になったことがあるんだよ。『付き人』と『付け人』、どっちが正しいか知ってるかい?」
タモリ「あぁ、それですか。私ね、昔からどうでもいいんですよ、そんなの。だって、どっちにしたってこっちは荷物持って怒られてるだけですからね」
巨泉「おいおい、そういう適当なこと言うなよ! 言葉ってのは文化であり、歴史なんだからな。ちゃんとした使い分けがあるんだよ」
タモリ「はあ、そうですか。で、巨泉さんはどっちなんですか?」
巨泉「俺はね、基本的には『付き人』だと思ってきた。人と人との『付き合い』の『付き』だからね。親分と子分、あるいは師匠と弟子の間にしっかりとした『人間関係』があって初めて成り立つものだろ? だから『付き添う』の『付き』がしっくりくるわけだ」
タモリ「なるほどねぇ……。『付き合う』ねぇ。なんだかベタベタしてて、昭和の香りがぷんぷんしますねぇ。私なんかね、もっとドライに『付け人』でいいんじゃないかと思うんですよ」
巨泉「ほう、『付け人』ね。それはどういう理屈で?」
タモリ「ほら、先輩のスケジュールに名前を『付け』とくとか、楽屋の鏡台の隅っこに文字通り『くっ付いてる』感じがしません? あと、相撲界や芸能界のしきたりで、『この人の下に付け』っていう、命令形っぽい響きがいいんですよ。お上の『お墨付き』みたいなね」
巨泉「お前なぁ、相撲界を一緒にするなよ! あそこは『付け人』って書くことが多いけどね、あれは師匠や関取の世話を『する』、つまり身の回りの雑用を『付ける』って意味合いもあるんだからな」
タモリ「ふーん……。ま、どっちでもいいじゃないですか。要するに、朝早く来て、車を運転して、弁当の買い出しに行って、先輩が『おい、ビール!』って言ったら、『はいっ!』って笑顔で差し出す。この一連の作業に漢字のちがいなんて関係ないですよ。漢字なんてただの模様です、模様」
巨泉「模様っておい! それじゃ言葉の存在価値がないだろ! 文字の誤用がまかり通るとね、世の中がおかしくなるんだよ、テレビのテロップみたいにさ!」
タモリ「ははは、相変わらずうるさいですねぇ巨泉さんは。じゃあ、こうしましょうよ。給料が安い方が『付き人』で、さらに安いのが『付け人』ってことで」
巨泉「どっちも変わらず安月給だろ! まったく、これだから最近の若いもんは……って、お前もう若くないか」

