=田中屋スポーツ新聞=新聞を読めと言われた世代!?読むならスポーツ新聞だな。情熱といかがわしさのサンドウィッチ。ジャンクな話題をコーヒーで流し込め!学校でも職場でも使える話題をお届け

「田中屋の海賊盤報道写真」
リオオリンピック凱旋パレードIn銀座バドミントンピンの銅!奥原選手を見たかったのですが、反対側で見れませんでした。

この写真はすべて嘘である。

どこがどう加工されているのかもわからない

ただこの写真には、撮影者/田中宏明とある

撮影/田中宏明
田中屋のシティスナップ「柴又の女」

柴又スナップ 撮影/田中宏明
連載小説「女の風景写真」作/奈良あひる
夜が更けても、部屋の灯りは消えなかった。
その明るさの中で、ふたりは何度も距離を測り直していた。
ほんの数センチの差が、触れることと触れないことの境をつくる。
けれど今夜、その境界線は曖昧に溶けていった。
言葉はもう、ほとんど役に立たなかった。
由紀子が小さく首をかしげただけで、夫はその意図を察した。
視線が重なるたび、過去と現在の輪郭がぼやける。
思い出のなかの彼女と、いま目の前にいる彼女が、少しずつ同じ呼吸を始めていく。
それは、懐かしさとも安堵とも違う。
むしろ、心のどこかに残った痛みが、温度を持ちはじめたような感覚だった。
何かを取り戻すというより、失ったものの形を、もう一度なぞるように。
由紀子がふと立ち上がる。
薄いカーテンの向こうで、街の灯りが淡く瞬いている。
その光が彼女の横顔に触れると、まるで遠い海を思わせる静けさが広がった。
夫はただ、その背中を見つめていた。
かつては隣にいながら、届かないと感じた距離。
それを、今はようやく受け入れられる気がした。
触れようと思えば届く。
けれど、その一歩を踏み出すより前に、互いの存在を確かめる。
呼吸が重なり、時間がひとつの点で静止した。
その瞬間、ふたりのあいだに流れるものが変わった。
愛情でも、執着でもない。
それは、長い漂流の果てにようやく見つけた「陸」のようなものだった。
つづく