=夕刻日誌=日常はエッセイにするとちょっとメルヘン。卒論のネタとスナックのママの話題のツマミとは似たようなものだ。デートにも使える話題のネタを紹介。
野外のエスカレーター
屋根のない野外エスカレーターというものは、ちょっと人間を感じるね。ここは人通りも少ないけど。
駅裏のロータリーにそれはあって、雨ざらしで、陽にあたり、手すりはぬるいかったりさ。
夏は熱く、冬はきっぱり冷たい。まるで機械のくせに体温があるみたいで。
上りに乗ると、空がだんだん近づいてくる。屋根がないから、雲の流れや、洗濯物みたいにたなびく夕焼けがそのまま見える。急いでいるのに、景色に気を取られて、ついぼんやりしてしまうから気をつけなきゃ。
屋外のエスカレーターは、どこにも閉じ込めてくれない。ただ、空の下をゆっくり運ぶ。それはエンタテイメントだ。娯楽だ。これにはチップを出したいぐらいだ。
登りきったところにチップボックスなんてのがあってもいいんじゃないか。
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家・ラジオバンドマン。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活&放送作家として日テレ・フジテレビ・テレビ朝日を出入りする。
現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」「わけありキャバレー」原作・脚本
出演ラジオ 第107回
田中屋のシティスナップ

