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夕刻日誌「やってないお店に嫌悪感~湯沢蕎麦(越後湯沢)」
地方ってお店がやっていないんですよね。人が来ないからやっていないのか、やってないから人が来ないのか。
5:28分の昭島初の電車に乗り、拝島経由で高崎に向かう。
高崎で立そばに行こうかと思ったが、八高線の途中で腹が減ってきておにぎりを食べる。
高崎には駅の中にちょっと気に入っている立ち蕎麦屋があって、おにぎり食べたけど、ここでも食べたいぐらいだ。
でもやっぱり腹減ってから食べないので、ここはスルー。8時過ぎぐらいだったかな。
越後湯沢に向かう上越線、また腹が減ってきて、、久しぶりに越後湯沢の駅内の湯沢蕎麦行こう!
これが10時過ぎだったんだが、やってない!
やっぱやっていないんだ。
以前食べたとき、そんなにおいしく感じなかったので、それをオイシイに塗り替えたかったのだが、やっていないと更新できない。
券売機には準備中!と札が書けてあった。
中では、人がいた。いつオープンなんだ。
立ち蕎麦朝食べれないんだ。
いつオープンするかはやっている人の自由でこちらは文句は言えない。しかし事実嫌悪感が残る。やっていない。
人が来ないからやっていない、やっていなから人が来ないどっちないんだ。
誤解のや思い込みのまま過ぎていく中学時代のように湯沢は過ぎていった。
コラム「浅草の土地高騰」
インバウンド、外国人、それに乗っかる企業が高額を出して土地建物を買うことにより、町が壊れていく、地元民が離れていく、固定資産税があがるといった影響が出ている。

田中屋の場末のスナップ

連続小説「女の風景写真」第18話 作/奈良あひる
その晩も、夫はパソコンの前に座っていた。
由紀子は寝室の灯りを落とし、布団に身を横たえながら耳を澄ます。リビングから聞こえるのは、椅子のきしむ音と、ページをめくるようにスクロールする控えめなキーの音。
(また、読んでいる……)
夫が文章を追えば追うほど、由紀子の中でひそやかな昂ぶりが膨らんでいく。それは夫婦の営みを取り戻すための火種であり、同時に、彼の心に芽生えつつある何かを察する恐れでもあった。
翌朝。食卓に座る夫の目が鋭い。
「……あれ、本当に“物語”なのか?」
唐突な問いに、由紀子は手を止めた。湯気の立つ味噌汁の匂いがやけに濃く感じられる。
「何のこと?」
とぼける声が自分でも少し震えているのがわかった。
夫は視線を逸らさず続けた。
「日記みたいに書いてあるだろ。……いや、日記なんだろう。本当に、別の男がいるんじゃないのか」
その言葉には怒りよりも、抑えきれぬ昂奮が混じっていた。
由紀子は思わず笑みを浮かべそうになった。――彼はもう、物語と現実の境界を見失いはじめている。
「信じるかどうかは、あなた次第じゃない?」
そう言い捨てるように答えると、夫の喉がごくりと鳴った。怒気を帯びた瞳の奥に、確かな火が揺れている。
その夜、夫は以前よりも激しく由紀子を求めた。まるで「証拠」を確かめるように。
由紀子は息を乱しながら、心のどこかで冷静に思っていた。
――もし本当に実話だとしたら、彼はどんな顔をするのだろう。怒りに震えるのか、それともさらに燃え上がるのか。
パソコンの画面には、まだ書きかけの一文が残されていた。
《彼の腕の中で、私は妻ではなく、ただ一人の女になっていた。》
夫はまだ、その続きを知らない。
由紀子の胸の奥で、秘密と熱がからまり合いながら静かに息づいていた。
つづく
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活&放送作家として日テレ・フジテレビ・テレビ朝日を出入りする。現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
出演ラジオ 第98回
田中屋のシティスナップ

