=田中屋スポーツ新聞=新聞を読めと言われた世代!?読むならスポーツ新聞だな。情熱といかがわしさのサンドウィッチ。ジャンクな話題をコーヒーで流し込め!学校でも職場でも使える話題をお届け

渋谷写真展SPAEを歩く

前回の写真展の時、写真集を買おうと思ったら、現金対応はなしで、僕が使えるのはスイカのみだった。
ピッとやってもらったら残高不足だった。
1500円とは2000円のものなのだけど、スイカにはそんなにお金を入れない慣習で、ピッとやってもらうことをおそれていたら照明が落ち閉店となってしまった。
まだ期日があるのでまた来ればいい。
今回はよくある、現場ノート(自由帳)みたいなのがあってそれを書いた。
それと渋谷の好きな通り。昔渋谷屋根裏というライブハウスに出たことがある。

どうせ来たなら何か残さないといけない気がするので、それを書けて良かったな。写真集が買えなかったわけだから。
今回観た写真では、スペイン坂の写真が衝撃的だった。
一枚選ぶとしたらそれだ。
ちなみに、今回は作品の撮影は禁止だった。
※前回は可だった。


コーヒーを推していないコーヒー屋を歩く「渋谷喫茶メトロ」
珈琲豆をチャラチャラ並べているようなCOFFEE屋のコーヒーがおいしくなかったのがちょっと印象的だった。吉祥寺七井橋通りの喫茶店。

それからというもの珈琲であったり、コーヒー豆を推している喫茶店というのは遠ざかった。
そこでいつしか意識するようになったのは、特にこだわりを押し付けてこない喫茶店のコーヒーだ。
※前回は銀座みやざわ
本日は写真展あとで、渋谷のコーヒーメトロに来た。


ここは珈琲トップがあったところ。内装そのまま使っているようだ。注文はスマホから。
登録とかはいらず、QRから選べばすぐできる。
最初で最後のコーヒーだった。

田中屋のシティスナップ「横浜のイラスト家の女」

撮影/田中宏明
小説「美咲は27歳の新妻だった」前編 作/奈良あひる
美咲は27歳の新妻だった。結婚して半年、夫の拓也は優しくて真面目なサラリーマン。しかし、時折、あの頃の心躍る刺激が蘇ることがあった。
ある夜、拓也の会社の飲み会に夫婦で参加した。そこにいたのは、昔同じ職場で働いていた遼太。美咲が辞める直前まで、二人きりで残業を重ね、ささいな冗談や笑顔を交わした相手だった。あの頃の思い出が、今も胸の奥で熱くなる。
「久しぶり、美咲ちゃん」
遼太の低い声に、思わず背筋が震えた。拓也は隣で楽しそうに挨拶しているのに、遼太の視線はどこか美咲を意識しているようだった。
二次会はカラオケルーム。拓也は酔ってソファで眠り込んでしまった。照明が落ち、残ったのは美咲と遼太だけ。二人きりの空間で、昔の記憶が鮮やかによみがえる。
「拓也さん、楽しそうだね」
遼太が近くに座る。距離が近くなるたび、心臓が速くなるのを感じた。美咲は思わず視線を逸らすが、何かに引き寄せられるように遼太の言葉を聞き続ける。
「昔と変わらないね、笑顔が素敵だ」
微かに耳元で囁かれるその声に、美咲は胸の奥がざわつくのを感じた。甘く危うい感覚、そして少しの罪悪感。拓也の寝息が、二人の間の緊張をさらに際立たせる。
その夜、美咲は自分の気持ちに戸惑いながらも、忘れかけていた心のときめきを再び思い出していた。拓也への愛情と、遼太に触れられることで蘇る昔の感覚の間で、心は揺れ動く。
家に帰る途中、美咲はふと窓の外を眺めた。心の奥の小さな火種が、静かに、しかし確かに燃えているのを感じながら——この気持ちを、どう整理すればいいのだろう、と自分に問いかけた。
つづく
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活&放送作家として日テレ・フジテレビ・テレビ朝日を出入りする。現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
出演ラジオ 第101回
田中屋のシティスナップ

