まぁ、言ってることはわかるんですが。
言っていることはわかるというようなことは、するべきなのかという問題を考えましょうか。
お墓という現場
お参りした人が持ってきたそれらは誰が片付けるんだ論で言うと、持ってこないほうが楽である。
それと、墓石が汚れるという点でも、何もしないほうが汚れはしないと思います。
では、一切持ち込みを禁止することを実行するほうがいいのか。
一切現場持ち込み禁止としたら。
じゃぁイカねーよということに、多くの人がなります。
なぜなら、ホームページかなんかにhideのお墓が載っているのかは知りませんが、何もなければ、それを見ながらお参りすればいいいからです。
まぁ、事務作業ですね。
そもそもお参りは想うことがお参りなので、何も見なくたっていいのです。
となると何もないお墓にいく人はフェイクファンととれる可能性もあります。
なぜ、現地に行きたいのかと行ったら、その現場の空気感なのです。
コンサートを見に言ったことがある人ならばわかりますが、コンサートは、そこに行くことをきめてからすでに楽しみが始まっていて、会場についたら、そのまわりにファンたちがすでに盛り上がってたりして、そしてコンサートが始まり、現場にしかないものを感じて、来てよかったな、ライブは最高だ、ということになるのです。
お墓でいうところの、お参りする人がいて、お供物とかがいろいろあったりして、語っている人がいたり、歌っている人がいたり、そこに現場があるのです。
ヒデと言えば、コンサートでギターを壊したりして、そりゃもうめちゃくちゃやってきて、それにファンが熱狂して、バンドやコンサートの価値というものを作ってきた人です。
ミュージックステーションスーパーライブでのアレ覚えてますか?アレを観たとき、ああ、あの会場いきてぇってなって、当時中学生の僕は、毎年観覧券を巡って応募するようになったのです。
何も起きなければ、テレビで見ていればいいのです。
演奏だって、CD聞いてればいいのです。
(いやそれは極論すぎるな)
現場のカオスを教えてくれたのはhideなんです。
mステでのダウトの演奏とか覚えてますか?
どんどんなくなっていくんです、現場が。
それを「整える」と呼んで、片付けていくことが正しいみたいな怪しい雰囲気が怖いです。
僕は現場を減らさなでもらいたいのです。
それは次の世代のためでもあります。
お店だって現場です。ネットで買うのもいいけど、現場で置いてある商品のオーラを感じたい。
熱を感じたい。
現場が減れば、その分、行動と感情がなくなってきて、熱くならない性格になっていきます。
ずっとスマホをみて経験した気になって生きていくパターンが増えていく。
最終的に、その人、そしてそういう人が増えた社会というのを、目指しているのか聞きたいです。
お供物持ってくるな派の人に。
小さい視野では、ゴミをなくしたほうがいいのかもしれませんが、もうちょっと大きくみたら、逆です、損失です。
だいたい、その親族もどんだけヒデに食べさせてもらってんだよというのがありますので、お墓の片付けぐらいありがたくやれよ、と思います。
歌舞伎町の夜には、タバコやら瓶やら感やらペットボトルやら喧嘩やら嘔吐物などめちゃくちゃになって、それでも朝には、ゴミ回収やビルの管理員さんや清掃の人がいて、片付けをします。それも歌舞伎町の現場です。ありがたいです。
そうしてまわっています。
みなさん最近どこの現場に行きましたか?
文/田中宏明(写真家・放送作家)