田中屋の原稿再生工場 「古いアパートに住むのが好きだった」文/田中宏明

原稿再生工場
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それはいつまでも昔に憧れて、想いを馳せていたかったのか。

結局、3部屋風呂なしアパートを借りたことがある。

どうしても、なくなってしまったあとに、なくなったものを体験することは難しく、今はなくてこれからおものというのは、これから割りと簡単に体験できるのではないかと思ってしまうからだ。

例えば、家賃の支払い

振り込みだったのは、井の頭に住んでいたときだけ。
自動引き落としとか、そんなのいつでもできる気がいてた。

それより、風呂なしアパートは大家さんのところへ持っていくのだ。
同じアパートの1階だったり、隣だったり。

この写真は、下北沢に住んでいたとき

1階に大家さんである。

サザエさんみたいなドアをあけると、パルちゃんと言う犬がしっぽを振って出てくる。
そして、家賃を払うのだ。
そして、小さな手帳に印鑑をおしておしまい。

振り込みよりそれを大家さんが選ぶので、僕もそれを選びたいのである。

振り込みにしちまえばそれはそれで簡単だ。

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