=ロード俳句(田中屋式短歌57585)= 松尾芭蕉に嫉妬して、バイクで旅して俳句するロード随筆シリーズ。俳句とはかけそばのようなもの。トッピングして短歌にすることもできます。
俳句前
日光東照宮から裏見の滝へ向かう。
裏見の滝の案内看板があった。そこには芭蕉についての記述はなかった。

俳句
ノンフィクション? 芭蕉は見たか 滝の裏
⏬️
季語ぬき
ノンフィクション?:嘘をついてでも面白おかしくしたい年頃(季節)
トッピング短歌
・芭蕉の記述も 裏もない
・断りもなく 裏見れず

解説
まったく寂れた場所だった。観光地としての整備はまったくない。それは悪いことではない。
4月の観光シーズンではあるものの人影はまばらだ。
すれ違うひとの顔に明るさもない。
現場についた。滝は裏から見ることができないのだ。なんの説明もなく。そういうことか、裏から見ることができなければ観光地としては成立していない。
そして
松尾芭蕉は、この滝を本当に裏から見たのか。
それもあやしい。見ていないが、解説者が見たことにしたのか。または本人が見ていないのにさも見たかのように記述したか。
文学史に嘘があっても不思議なことではない。

作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送