=田中屋式短歌= 松尾芭蕉に嫉妬して、バイクで旅して俳句するロードエッセイシリーズ。約30文字のメルヘントリップへようこそ!
つづき
芭蕉記念館から深川不動へ、深川といえばきんつばだ。
高校時代に行ったきんつばのお店は何処か。
記憶はほとんど残っていない。深川不動の参道沿いだったということぐらいだ。
きんつばをわかりやすく置いているお店は一つしかなかった。
俳句
今昔(いまむかし) 会えず引き立つ 餡の味
解説
参道に一つしかないきんつば屋に入ってみる。きんつばというもの自体覚えていない。おそらくあのときも買ったであろうきんつばを買った。5個入り700円。1998年当時はいくらだっただろうか。
僕「深川のきんつばと言えばこのお店ですよね?」
おかみさん「ええ、おかげ様で」
お、やっぱりここか?!
僕「きんつばの清水さんってここでしたっけ?」
おかみさん「清水さんは十数年前にやめちゃったんです」
おかみさんは、参道の方にむけ手をさした。
そうかやめてしまったか。お店のイメージはこんな感じだったような気もするけど、もうないということだ。
いまはこのお店がきんつばをひっぱっている。
あの時も、結局会えず きんつばを食べたのだ。
甘さは苦さで引き立つものだ。
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
ラジオ
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