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夕刻日誌「病院はなぜ日曜日やっていないのか」作/田中宏明
急病は日曜に起きた。
日曜日には体調不良にならないということなのだろうか。
相談センターに連絡したら、相模大野に救急病院があるらしく行ってきた。
結構待たされると思っていたが、病院は混んでいなかった。日曜日にはあんまり体調不良になる人がいないということなのだと思った。
夕刻コラム「たま これはどういうつながりの話なのか」
元たま知久のインタビュー記事。
たまの再結成について、石川浩二から話があったがまとまらなかった。
2024年に再結成してやってますよね。
これはどういう話のつながりなのだろうか。この記事を読み人は、再結成していることは知っているのではないかと思うけど。
再結成の線を残さない発想はちょっと子供だと思うね。
柳原が脱退する時なんで土下座してんだよ。させてんだよ。いつかの再結成、一時再結成の可能性をその時点でつぶしているよね。
そういうの好きじゃないな。この記事はいろいろ滑っている気がしますが、同ですか?
田中屋のシティスナップ「ブリストルドックスサイドカーの女」

撮影/田中宏明
連載小説「女の風景写真」第12話 作/奈良あひる

由紀子は、歩き出した自分の足取りの軽さに驚いていた。
「続きを確かめませんか」――その一言に頷いてしまったのは、迷いよりも期待のほうが強かったからだ。
二人は人目を避けるように駅近くの路地を曲がり、明かりの控えめなホテルへと入った。自動ドアの向こうに流れる静かな音楽が、現実から切り離されたような感覚を与える。フロントで部屋の鍵を受け取るとき、心臓の鼓動が耳の奥で反響する。
部屋に入ると、まず目に飛び込んできたのは大きな窓。外の光が柔らかくカーテン越しに射し込み、ベッドの白さをいっそう際立たせている。由紀子はバッグをソファに置き、振り返った。彼は無言のままコートを脱ぎ、ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。
その距離が縮まるたびに、由紀子の中で「記録してきた言葉」が現実の温度に変わっていく。文章に書き残した震えや鼓動が、いま再び身体に蘇ってくるようだった。
彼の手が肩に触れる。軽く押されたその感触は、逃げ道を塞ぐものではなく、むしろ安心を与える力に満ちていた。
「本当に……書いていた通りなんですね」
彼の声が、耳の奥に低く響く。
唇が重なった瞬間、由紀子は思わず目を閉じた。言葉では埋めきれなかった空白を、触れ合いが満たしていく。
ベッドに腰を下ろすと、窓の外の光と重なり、彼の輪郭が淡く揺れた。
時折、由紀子は自分が「物語の中の人物」になっているような錯覚を覚える。だがそれは虚構ではない。目の前の温度、腕の力強さ、唇の柔らかさ――すべてが現実で、これまで綴ってきた言葉を追い越していく。
「この続きを……また書きますね」
囁いたのは、由紀子自身だった。彼の胸に頬を寄せながら、未来のページに記すことを約束しているような気がした。
窓辺の光は傾き、二人の影を長く伸ばしていた。
やがてその影は重なり合い、形を失っていった。
つづく
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、現在はピンでラジオと弾き語りでのパフォーマンスをおこなっている。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送中!
出演ラジオ 第97回
田中屋のシティスナップ
田中屋のロード俳句
井の頭Pastoral