「月間シナリオ教室(2021年1月号)」著者:シナリオセンター?
昔シナリオ作りの参考書として、ドラマを例にあげた本を買った。
自分としてはそれは参考にできなかったのす。
それから何年もたち、また古本で出会ったこの雑誌は、あのときの本と同じくシナリオセンターのものでありました。
なんなんだ、このマンモスシェアは。
昔、日テレのシナリオライター講座みたいなものに潜っていたことがある。日テレの番組のADをやっていた頃。
その頃のお題をひとつ覚えている。ひと駅電車に乗っているシーンで起承転結を突っ込めというものでした。
この雑誌でも、そんなようなことを繰り返している。
すれ違い・葛藤を詰め込め、のように。
そして、受講生の作品を載せるという内容です。
起承転結・葛藤とすれ違いが、すべてというぐらい口酸っぱく出てきます。
それぐらい、それをストーリーの中に織り込むことは大事なのだと刷り込まれていきました。
よし、僕も小さな文にも、起承転結・すれ違い・葛藤をいれて書くぞ!
と思いそうになった。
その寸前でためらったのです。
その参考に取り上げられていた話が面白くなかったのです。
無理矢理、それを突っ込みましたというような内容なのです。
そこで、気づきました。
それをすれば面白いものになるとは一言も言っていないことに。
いま目の前にあるものとは、ここへ現れるまで敬意は様々。
いろいろなしがらみがある。
もしかしたら、この回のメッセージは、起承転結いれることが目標となって作られている作品のむなしさなかもしれません。
文/田中宏明