田中屋スポーツ新聞 9/22「EXILE atsushi ひかりまつりの女 小説25」編集者/田中宏明

シティスナップ
シティスナップ 夕刻日誌 短篇小説 読書感想文

田中屋の夕刻コラム「エクザイルatsushiのものまね芸人と本物 猿岩石有吉」

ものまね芸人RYOに対して、本物がコメントする。

《また有吉弘行に噛みついていた!》ATSUSHIそっくり芸人 深夜の反撃投稿に起きていた“異変”(女性自身) - Yahoo!ニュース
歌手の橋幸夫さん(享年82)の通夜に、故人とほとんど親交がないにもかかわらずEXILE・ATSUSHI(45)のモノマネ芸人が参列した騒動が拡大している。 金髪オールバックにサングラスという、AT

これに対しては偽物のATSUSHIに分があるように思います。

今回の出来事は、ものまね芸人のRYOが橋幸夫の葬儀に参列しただけ。それだけである。
それに対して、マスコミが本物の芸能人が、ああだこうだ言っているだけ。
生前交流があった、親交があったかなんて実はどうでもいいことですね。会員制の会に何かをごまかして参加したわけではないですからね。
来ていいものに来ただけです。

EXILEのATSUSHIはコレに対して「ナメてる」なんて発言したらこれはちょっと問題です。そしてはずかしい。

有吉も本当に何か恨みでもあるのかなと思ってしまいます。

実際には、話題にするという売名行為に加担しているので、RYOにとってはおいしいことであり、愛が有るのかもしれません。

とりあえずここだけ切り取れば、RYOに分があります。

田中屋のシティスナップ「ひかりまつりの女」

撮影/田中宏明

連続小説「女の風景写真」第25話 作/田中宏明

約束の日が、じわじわと近づいていた。
 日常は変わらないはずなのに、由紀子の目に映るものすべてが色を帯びて見える。朝食の湯気、夫のシャツの襟元、パソコンの黒い画面。どれもいつも通りなのに、その奥に潜むものを意識してしまう。

 ――三人で会う。

 ただその一点が、彼女を日常の外へと連れ出していた。

 夕刻、喫茶店で男と顔を合わせる。いつもと同じ席、いつもと同じコーヒー。けれど言葉を交わすたび、足元にざらつく緊張が広がっていった。
 「旦那さんは……来られるって?」
 男が低く尋ねる。
 「ええ……。あなたと話してから、あの人はすぐに日を決めて」
 自分の声が少しだけ震えていることに気づき、由紀子はカップを両手で包んだ。

 男は一瞬だけ黙り、やがて笑みを浮かべた。
 「なら、あとは流れに任せましょう」

 帰宅すると、夫は机に向かいパソコンを閉じたところだった。画面の余熱がまだ残っている。
 彼が何を読んでいたのか、由紀子には分かる。彼女の日記――。

 「……大丈夫だ。俺は、覚悟してる」
 夫の声は静かで、どこか澄んでいた。

 その夜、並んで布団に入ると、互いに背を向けたまま眠れずにいた。
 カーテンの隙間から月の光が細く差し込む。
 由紀子は目を閉じ、来るべき夜を想像した。
 ――どんな空気になるのだろう。
 夫と男が同じ部屋に立ち、自分を見つめる。その場面を思い描くだけで、身体の奥がわずかに疼いた。

 けれど同時に、不思議な感情も芽生えていた。
 夫を裏切るのではなく、夫とともに踏み出そうとしていること。
 そのねじれた事実が、彼女の心を複雑に震わせていた。

つづく

タイトルとURLをコピーしました