よりぬき!「DJシューカイのレコードの部屋No.86」

土曜日DJシューカイ枠
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藤波辰爾「マッチョ・ドラゴン」EP

レコードの針を落とすとまるで「小学生が歌っている?」と思わずにはいられないプロレスラー藤波辰爾による迷盤。
藤波自身、試合の入場曲に使っていた。ラジオではコサキンで早い段階で紹介されていてコサキンリスナーであった僕もそれに影響されました。

コサキンのラジオと根本敬の「幻の名盤解放同盟」はこれらいわゆる「珍盤」を和モノのジャンルに昇華させた功績者だと思いますが「誰が最初に流行らせたか?」などは野暮な話で僕は同時多発的なムーブメントだったと思っています。

それは「パンクの祖は誰か?」と言っているようなもので遡ればガレージ・ロックまで言ってしまうし「ミニマル・ミュージックの発案者は誰か?」と言ってもアメリカ四大ミニマルの巨匠たちは何故か1935〜1937年生まれなのでその時代の流れ、フロウ、だからフルクサスなのではないかと…無理矢理の自説だな…😅話が逸れた。

藤波辰爾も一時期、NHK「ひるどき日本列島」にレギュラー出演していてある時、地元の婦人会消防団vs藤波辰爾という体で消火競争をした事があった。普通なら婦人会に花を持たせるのがシナリオとして正解だか藤波は真剣に勝負してしまいそして勝ってしまった…(笑)
藤波のプロレスの試合が勝っても負けても「名勝負」になるのは彼のその実直な人柄によるものではないかと僕は思います。

冒頭で「小学生が歌っている」などと揶揄したが歌手 小林幸子は「もっと歌が上手な人はたくさんいるが、藤波さんの歌は聴くだけで明るい気持ちになれる。これは誰にでも出来ることではない」と評した。それも今はわかる気がする。

これだけ人の心を引きずり込むのはもはや「迷盤」ではなく真に「名盤」だからなのかもしれない。

文/DJシューカイ

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