松尾芭蕉に嫉妬して、バイクで旅して俳句するロードエッセイシリーズ。30文字ぐらいのメルヘン短編小説へようこそ。
2024年 秋 関越自動車道 上り
俳句
見上げても 見る度変わる 星の空
見ずして行けば ランプの灯り
解説
相模原への帰り道高速道路を使うか少しためらったところがあった。前回エンジンが停まりレッカーを使ったからだ。
一見エンジン良好に思えたが、突如そんなことは起こる。
それでも、今回またそうなったらそれはまたそのときだと思って湯沢から高速に入った。
一番の不安要素関越トンネル。トンネルの中でエンジン止まったらそれは結構怖いぞ。それには少し怯えていた。不安を煽るのは、今回の旅では、相模原を出たときからずっと、メーターのランプがつかなかったからだ。これは何か電気系統の不具合がすでに起きているとも考えられる。または、ただのランプの球切れか。
不安はなんとなく不安を呼んでくる。なんとなく、セルスタートの調子が悪い気がする、だとか。
まぁそんなのは思い過ごしだと、トンネルに入る。もう引き返せないからである。
そんなとき、今までついていなかったメーターランプがついたのだ。いままでずっとついていなかったのに、なぜ今ついたのかは謎だ。なぞのままでいこう。謎のままでも本来の状態に戻り、何も不安なく走っていくことができたのだ。
メルヘン解釈
見えない部分をそんなに気にしなくてもいいのかもしれない。全てを見透かすことなんてできないのだから。結局前をみてすすむというなんのひねりもない話である。
しかし、これらは電車では体験できないストーリーである。バイクがくれた短篇小説である。
作者紹介
田中宏明 1980年生まれ 東京都昭島市出身の週末の写真家・放送作家。
2003年 日本大学文理学部応用数学科 ぎりぎり卒業。下北沢・吉祥寺での売れないバンドマン生活を経て、会社員(番組制作→不動産業)となる。
◆写真家:シティスナップとかるーい読物「井の頭Pastoral」撮影・編集
◆放送作家:ラジオドラマ「湘南サラリーマン女子」原作・脚本 オールデイズ直江津Radioで放送
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