第2話
待ち合わせで急行が入ってくる。混んでいるので、乗り換えず鈍行でいくのが、真司のパターンだった。
男だって女だってトレンディドラマのように行きたいもの。
もしそのストーリーがうまくいくのなら、それまでは困難がおとずれるのだ。
今まとまらなかったのはその段階なのだ。
ならばもうひと粘りして、この状況をこえなければならない、でなければ、ドラマにならない。
真司「今ひとりで動いてるの?」
どうにでもとれる質問
K子「今一人、紅鹿舎の前まできた。せっかくだから」
真司は、発車のベルが鳴っている急行へと急いだ。
真司「せっかくだから入っていきなよ。時間がなくて飲み残していくのも喫茶店だよ」
k子「来れる?」
真司「今向かってる。立ち話でもしよう。コーヒーなんてなくてもいいんだ、会えれば」
メールのラリーは続いていのだが、そこからメールは返って来なくなった。
つづく
著者:奈良あひる
渋谷のサラリーマン 1990年生まれ