作/奈良あひる
男がおいていったメモには、熱海市内にあるバーのショップカードで、裏のメモの欄には連絡先が手書きで書いてあった。そして、浅田と書かれていた。
何のメッセージかしら。
加恵は、学生時代、脚本家に憧れている頃があった。本の世界ではどこへでもいけて、何にでもなれて、どんなストーリーでも書くことができるからだ。そして、その内容は世になんて出なくてもいい。自分がその世界に酔えればいいという考えがきっかけだった。
脚本家という商売にしようとは思っていなかった。
社会に出れば恐らく、日々大変な世界があり、そのとき一人でこっそり逃げ出すための脚本の世界だった。しかし、逃げ切れず、会社では大変な想いをしたとにかくすり減ってしまった。
同じ日に、同じ店へ2回行く。
1回目に見かけた人から連絡先をもらう。
現実としたら、充分すぎるきっかけがきている。
何のあてもなくカフェラテがひとつテーブルの上にあるだけだ。
ゆっくりこの続きでも考えようか。
つづく
=ラジオ情報=
手作りオーガニックラジオ
「BerryBerryBreakfastのオールデイズ直江津Radio」
2週に1回アップしてます。
=バイク屋台(移動販売)情報=
田中屋の峠Coffee
ZINEの移動販売やってます。
主な出店場所、相模原市緑区 大垂水橋
相模原市南区 八景の棚
土日のモーニングタイム
サービスコーヒー付きです。